助け船を出さない代わりに


僕は穏やかな目で
彼女の言葉を待った。



















「す……………
す……………
好き…………………
かなぁ…………なんて………」











言い切れなかった感じだけど





彼女らしくて


僕には嬉しかった。





こんなに魅力的な彼女に
やっと好きになって貰えたのだから……。











 

「いや……あの……でも……えっと………
あの…ホソクさんは……
素敵な方が沢山いる
素晴らしい世界にいらっしゃいますし……
あの……私とどうこうって…
いうわけじゃなくて…」





彼女は緊張のあまり
落ち着きなく話し始めたのを見て




僕はようやく口を挟んだ。











「じゃ、付き合おっか」








すると


彼女のペラペラ口はパタンと止まった。







「え…?」



「だって両想いだもん。
問題ないでしょ?」



「え……でも
ホソクさんにはもっと素敵な……
お似合いの方がいらっしゃるだろうから
想いだけでもって……」







彼女のことだから




本当に

ただ好きだと
伝えたかっただけなのかもしれない。




純粋で

傷つくのが怖い

か弱い彼女だから……










「俺はね
確かに一般の人からしたら
キラキラしてる世界にいる人に
見えるのかもしれない。
確かに美人な人は沢山いる世界だよ。

だけど君に惹かれるんだ、俺は。
モヨンちゃん、君しか俺には見えてない」