「じゃあ………
元に戻ってくれる…の………?」

















「………………考えさせて………」








彼女は小さい声でそう答えた。











すぐには元通りになれなかったけど
それでも良かった。







彼女に対して
僕が最低なことをしてきたのは間違いない。







それは全てが真実ではないとしても…… 







彼女は何も悪くなかったから……。
















僕がどんな酷い男でも
分かろうとしてくれる優しい彼女に

愛しさが募り

僕は力いっぱい
ぎゅーーーっと抱き締めた。













「ヌナ………。
チャンスくれてありがと。
もうこれが
最後のチャンスだと思ってるから…
ヌナを取り戻す……。
告白するのは今回で最後にする……」





「…………え……?」











僕はずっと本気で
彼女と結婚したいと思っていた。









彼女は
僕に言い寄って
媚を売ってくるような女とは違って





僕がつい追いかけてしまうような
素敵な大人の女性で









かつて付き合っていた頃


彼女のアパートで
彼女の作った手料理を一緒に食べて





僕の話を
優しく相槌を打ちながら聞いてくれる


彼女との時間が本当に幸せで







その時間が一生続けばいいのに……






そう思っていた。














彼女との空間は


僕の落ち着ける
幸せな場所だった。













「また元に戻ってくれたら
次は告白じゃなくてプロポーズする……」




「前に言ったよね。
ヌナと結婚を前提に考えてるって。
あれはずっと変わってない。

ヌナは運命の人だって俺には分かる」










僕は彼女を抱き締めたまま
彼女への一途な気持ちを伝えた。











「俺がこういう職業だから
申し訳ないけどすぐって訳にはいかない…。

でも、絶対ヌナと結婚する」










彼女は驚いていて、終始無言だった。






でも僕はそれでも良かった。








今までは離れ離れだったから




好きとか

結婚したいと思っていることとか



伝えたくても

何も伝えられなかったから………。







 



僕は2度と後悔することのないように
彼女への気持ちを


言葉だけでなく


ハグやキスでも表現した。










「好き……。
離れてた1年間、毎日好きだった。
これは俺からの1年分だよ…」