片付けに戻らないといけないでしょと
帰るように言うと
テヒョンくんは
「ちょっと待って」
と言う。
「ヌナ、ケータイ」
そう言って手を差し出してくる。
私は何だろうと思いながらも
とりあえず差し出すと
彼は何やら弄くりだしたので
「え?ちょっと……」
と慌てた。
「あ、やっぱり俺の連絡先消してた。
よし、俺の登録し直したから。
俺からの電話もLINEもちゃんと応答して。
あ、あと………」
彼は私のケータイで
パシャっとセルカを撮ると
「待ち受けにしとくから。
変えちゃダメ。俺の写真なら良いけど。
ヌナの彼氏ですって
言いふらしていいよ?」
彼の暴走が始まった。
そんなことしたら
大変なことになるでしょって
突っ込みを入れたかったけど
彼に見せられた待ち受けに衝撃を受けて
突っ込むのを忘れた。
「俺の待ち受けはね~
付き合い初めた頃からヌナなんだよ~」
見せられた写真は
初めて見るもので………
私がBig Hitに居た頃の写真だった。
「これね、俺が片想いしてた頃に
隠し撮りしちゃったんだ。
可愛くってつい…」
私が高い所に置いてある靴の箱をとろうと
頑張っている所だった。
恥ずかしくて恥ずかしくて
顔を赤くしていると
パシャッとまた音がした。
「え…?」
「2枚目ゲット~~♪
あ~~キヨ~~~」
「ちょっとやめてって~!」
「あ、俺呼ばれるわ。
じゃ、気をつけて帰るんだよ~」
そう言って出ていこうとしたけど
「あ!」
また彼は私の元に戻ってくる。
「え?どうし…」
彼は私にチュッと音を立ててキスをした。
「愛してる…」
真顔でそう言って
そそくさと部屋を出ていった。
私はしばらく
ふわふわ夢のような感覚だった。
ふと自分のケータイを見ると
彼がさっき撮った写真が
待ち受けにされていた。
1枚しか撮ってないはずなのに
完璧過ぎるビジュアル…
やっぱり彼の美しさに
恐怖を感じずにはいられなかった。
※イメージを膨らませる為、画像お借りしております。
