僕は結婚する彼が
何故そんなことを言ってくるのか
全く分からなかった。
「どうしてですか…?
もう関係ないんじゃ……」
「未練はありません。
でも……
僕に勝った人に
彼女を幸せにしてもらわないと……
なんか悔しいです…。
だから僕に何か
出来ることがあればと思って……」
前から良い人そうとは思っていたけど
彼の人の良さを身を持って感じた。
「ではお仕事が終わりましたら
ここに連絡下さいますか?」
彼の連絡先をもらって
僕は彼と別れた。
その日は事務所での仕事を
まとめてやることになっていて
仕事が終わると時刻は21時を回っていた。
延期かな……と思いつつ
彼の番号に電話をすると
彼はすぐに出た。
「もしもし」
「あ……スンギさんですか?
テヒョンです。
遅くなりました…」
「あぁいやいや。
忙しいのに連絡ありがとうございます。
今事務所にいらっしゃいますか?」
「はい。レッスン室にいます。
スンギさんは……」
「あ、僕は今丁度休憩しようと
思っていた所なので
そっちの方に行きますよ。
5階ですか?」
「はい」
「では向かいますんで」
スンギさんは来てくれると言うので
レッスン室の外で待つことにした。