彼女の残した形跡は
ニューヨークということのみ。






この大きな街に彼女がいたとして


僕が見つけられる可能性は





一体何%なのだろうか……。











そんなことを考えているうちに


ニューヨークへ向かう飛行機は
無事に到着した。










滞在できるのは3日間。



初日は会場でのリハーサルや取材等。



でもスケジュールの合間に
少しだけ自由に街を回る時間はあった。











リハーサルのお昼休憩には
メンバーとお昼を買いに行くことになった。









ナムヒョンと僕は
ファーストフードを食べたいと
街の露店に並んでいた。






僕の大好きなファーストフード。



最近食欲もなかったけど
せっかくニューヨークに来たからには
食べたいなと思って


人気のホットドッグを楽しみに
ウキウキと待っていた。










やっと僕の番が来て

僕が注文をして

受け取ろうというタイミングで






まさかヒョンから
衝撃的な事を告げられるとは
思いもしなかったけど……











というのも



突然後ろから強めの力で誰かに肩を叩かれて

思わずイラッとして振り向くと



血相を変えたナムヒョンが立っていて








「どうしたんですか?」


と問いかけると
無言で僕の腕を引っ張って
ヒョンにどこかに連れて行かれる。








「あ………ホットドッグが……」





僕は後ろ髪引かれる思いだったけど

ヒョンの見たこともない表情が気になった。