それからまた何週間か経って
スケジュールに空きが出たタイミングで
マッサージを予約して行った。
その日は久しぶりに彼女が担当で
内心、今日はラッキーだなと思った。
「この前はみっともない所を………
ごめんなさい……」
彼女は部屋に入ってきた途端に
気まずそうに謝ってくるから
せっかく彼女に会えるって喜んでたのに
調子が狂った。
「もういいって……」
彼女は
「今度はちゃんと奢るから!」
と言いながらハンドマッサージを始めた。
「そういえば店長に言ったか?
あの変態野郎のこと」
ふと思い出して問いかけると
彼女はバツが悪そうに目を反らして
問いかけには答えなかった。
「おい……お前…
意外とそういうのダメなタイプかよ…
あの男は?
まだ付きまとってくんのか?」
「………………」
彼女は終始無言で
それでどういう状況なのか
だいたい予想がついた。
仕方ない、俺が言ってやるか……
そう思って
「あと何か困ってることは?」
ついでだからと思って聞くと
彼女は首を横に振った。
「ならよかった」
俺は彼女のマッサージを受けている間
色々と考えを巡らして
彼女を助ける方法を探した。
それで一先ず店長に話してみようと思って
全身のマッサージを終えると
俺はスタスタと受付に向かう。
「店長さんはいますか?」