「ここで2人で何してるんですか?」
単刀直入に聞くと
男は
「関係ないだろ!」
と怒り口調で言ってきた。
あぁめんどくせぇ……
そう思いながらも
なるべく場を和やかに治めるには………と
頭をフル回転させて
俺は1つの嘘を思い付いた。
「関係あるんですよ。
そいつ、俺の妹なんで」
そう言うと
彼女と男は俺を見て驚いた顔をした。
「妹、返してもらっていいすか?」
そう言うと男は
「すみませんでした………」
と大人しく去って行った。
「大丈夫か?
……何もされてないよな?」
彼女に問い掛けると
「大丈夫です……
ありがとうございました」
深々と頭を下げてきた。
「何かしこまってんの」
俺がクククッと笑っていると
彼女は顔を上げて
「…あの!」
と俺に声を掛けた。
「ん?」
「今日……少し時間ありますか?
お礼………したくて……」
彼女は突然そんな事を言い出す。
彼女と話はしたいけど
お礼をされる程の事はしていない。
俺はまた軽く笑うと
「お礼されるようなことしてねぇよ」
そう言って
この薄暗いスペースから行こうとした。
すると彼女は
「急いで着替えて来ます!」
と言って
勢い良く
俺と反対方向に走って行くから
なんか笑ってしまった。
彼女と関わると
やっぱなんか面白れぇな……