それから1週間が経っても
彼女が連絡してくることはなかった。
俺はマッサージの予約をして
その日に
連絡してと
もう一度言ってみようかと思ったけど
予約の日は別の人の担当だったらしく
俺の所には来なかった。
帰り際にフロント付近で
彼女の後ろ姿を見かけたから
居ることは分かった俺は
なんとなく
外で彼女を待ち伏せすることにした。
俺の予約時間は
営業終了時間に近かったので
30分くらいで彼女は店から出てきた。
私服の彼女は
シンプルで
スタイリッシュな大人な雰囲気で
彼女の性格にも合っていて
いいな…と
俺は思わずニヤけてしまった。
「シセリさん?」
彼女は俺に気づかずに
通りすぎそうだったから
いや
気づいても素通りしそうな気がしたから
声を掛けると
彼女はビクッとして
俺の方を振り返った。
「あ………」
「今から予定ある?」
「え………なんでですか」
「少し話聞いてくんねぇかな~と思って。
俺の事情とか……」
彼女は少し迷って
「……少しなら」
と小さい声で言ってくれた。
なんだ……優しい所あんじゃん。
俺は内心
よっしゃ~とガッツポーズをして
彼女の方へ行くと
なんとなく並んでゆっくり歩き始めた。