俺が声を掛けると
彼女は
「何でしょうか」
と振り返る。
「メモ紙ある?あとペン」
彼女はポケットからメモ帳とペンを出した。
「どうぞ」
「ちょっと待って」
俺はメモに自分の番号を書いた。
なんでそうしたのか…………
彼女と
客とマッサージ師ではなく
対等な人間……
タメの友達として関わってみたい
そう思ったからだった。
「これ俺の番号だから」
彼女に手渡すと
「はい?」
彼女は怪訝そうな顔をした。
「連絡して」
「お断りします。
ナンパは嫌です」
彼女はキッパリと断ってきた。
「友達になってくんねぇかな?
俺事情があって
会える友達少ねぇしさ」
「それって逆に怪しいんですけど」
「今度話すから……」
彼女は一瞬俺の目を見て
「………考えておきます」
と
とりあえずメモは受け取ってくれた。
彼女のサバサバ具合がホントに珍しくて
俺は彼女にハマっていった。