僕は最後の希望を逃すまいと
鞄を抱き締めながら



スケジュールの合間合間に
彼女への手紙の内容を考えていた。












その日のスケジュールを終えて
寮に帰ると


僕は部屋で一人
彼女のお母さんへの手紙を書いた。












僕は頭をフル回転させて

滅多にない直筆での手紙を書いた。






ヌナに手紙を読んでもらうには

中を開けるまで
僕だと分からないようにしなければと思って
Big Hitのスタッフのように書いた。




ヌナがここまで僕を拒んで
姿をくらますくらいなのだから…。









そして僕は夜な夜な
彼女へ宛てた手紙も書いた。




















翌朝

少し寝不足だったけど



彼女へ接触できるかもしれない
ほのかな期待に

気分は悪くなかった。








そして仕事の現場で
マネージャーに封筒を渡す。






「これ……ポストにお願いできますか」



「書いたんだ…」



「はい。最後の望みかもしれないので…」











「届くといいな…」


「はい…」