その時
楽屋の外から


「ホソギヒョーン!ホソギヒョーン!」


「ヒョーン!どこにいますか~?」



と声が聞こえてきた。







きっとBTSの方だ。


どうしよう……








「あ……探してらっしゃいますよ?」






ホソクさんが立ち上がろうとした所で


ガチャッと楽屋が開いた。
 








「ヒョン!
あ~!ここにいた~!」
 


テヒョンさんが顔を出した。






私はこんなに近い距離で
テヒョンさんを見るのが初めてで

固まってしまった。







そしたらテヒョンさんだけでなくて

後から追うように
ジョングクさんとジミンさんも
中に入ってきて




突然のあまりにも異質な空間に

息をするのさえも忘れそうだった。

 
 










「え……!もしかして……もしかする…?
ホソギヒョンの図書館の人?」



テヒョンさんは私のことを
ジロジロと見てきて


何かに隠れたくなる。






こんな美しい方が

私みたいな醜い人間を見ないで………









「テヒョナ、見すぎ」

「本当に瓶底だぁ!すごーい!」





ホソクさんが注意したことに対して
テヒョンさんはガン無視で

私の眼鏡を色んな角度から見始めた。









この空間に私だけが浮いている。








「モヨンちゃん?大丈夫?
ごめんね、いっぱい来ちゃって……」



ホソクさんは気を遣って
そう話しかけてくれたけど


私は緊張で固まって
首も手も動かせなかった。










「モヨンちゃんって言うんですね!
眼鏡…変わってますね!
ちょっと借りてもいい……?」




テヒョンさんは
平然と私に話し掛けてくる。






テヒョンさんが私に話しかけてるなんて…
    




しばらくその事実に
ほわほわした感じがしていたけれど


テヒョンさんが私をあちこちから見て
伺ってくるのにハッ として






「あ……はい…………どうぞ」


眼鏡を外して渡した。









すると

「うわーお!」

と鏡で
自分の顔を確かめているテヒョンさん。




 




「え………」

ジミンさんとジョングクさんは
私をすごく見てきて

顔が熱くなる。



 





「ね?驚くよね…」

ホソクさんが
ジミンさんとジョングクさんに
そう言っていて


なんだろうと思っていると







「何?何何?」


とテヒョンさんも私を見てきて

もう逃げたかった。















「え……めっちゃ可愛いじゃん……」









へ……?



誰のこと……?