畳のような所に座ってもらうと
袋から湿布とテーピングを取り出す。
「失礼します」
私は恐る恐る彼のズボンを捲り上げると
あまりの酷さに絶句した。
青紫どころじゃなくて
全面に黒い感じだった。
これは明日のイベントにも
支障あるだろうなと思って
すごく申し訳なくて、落ち込んだ。
私は彼の疫病神なのかなぁ……
「大丈夫だよ。ただの打撲だと思うから」
ホソクさんは微笑んでそう言ったけど
打撲の度合いが尋常ではない。
相当痛いはずだ。
「本当にごめんなさい……」
謝っても謝りきれないけれど
せめてと思って
湿布を貼ってテーピングをした。
「握手会ぶりだね」
ホソクさんが私に笑いかけてきた。
「そうですね…」
ホソクさんは優しいから
気を反らそうと気遣ってるんだよね……
そう思うと
元気よく答えられなかった。
「モヨンちゃんの手が
断トツ小さかったよ?」
彼はそのまま話を続けて
笑ってそう言うから
彼と手を一瞬繋いだことを思い出して
なんだか恥ずかしくて
赤面してしまった。
すると突然
ホソクさんは私の腕を掴んで
引っ張ってきた。
バランスを崩した私は
畳に手を付いてホッとしたのも束の間
ホソクさんがあろうことか
私の頬にキスをしてきた。
私の心臓は口から出そうなくらい
急激に忙しくなった。
「いや~あの時はホント
まんまと騙されたからね。
仕返し!
でも……会えて嬉しかった」
彼は笑ってそう言うけれど
状況が未だ掴めない私は
ただ呆然としていた。
「今日は早くから空港いたの?」
「え……?あ……はい……」
それでも
平然と話を続けるホソクさん。
今のは何だったの………
「1番前だったじゃん」
「昨日から場所取りしてたので……」
「昨日から!?」
なんだかふわふわしたまま
彼の質問になんとか受け答えをした。
「え…あの……ホソクさんに
会いに行こうと思って……」
「あのね…モヨンちゃん……
俺にはそんなことしなくたって
会えるでしょ?
体壊しちゃうからやめ…」
ホソクさんは呆れていた。
でも私はホソクさんの熱烈なペン。
私は想いが口から溢れ出た。
「私も会いに行きたいんです!
来てくれるのを待ってるだけじゃ…
ずっと会えないかもしれない…。
だってホソクさんは世界の人だから……」
言ってて少し悲しくなってくる。
最近
ホソクさんの笑顔を見たい。
寂しくて
会いたいと思う日が多くなっていたから…