「まぁ私としては
1回告白できたんだから
合格かな~なんてね」





お姉さんはそう言って笑った。







ホソクさんの告白を断った事を
お姉さんは全然怒ってなくて


それどころか
いいんじゃないというような返答で


私は拍子抜けも同然だった。










その後もお姉さんは

私を連れていきたい所が沢山あるんだと

色々話をしてくれて




私の不安な気持ちはどこかへ飛んで行った。












「モヨンちゃん。
変な人に連れて行かれないように
その眼鏡死守してよ?
危険を感じたらすぐ私に連絡すること。
分かった?」




お姉さんは過保護なくらい心配してくれて






私は


「大丈夫ですよ~
ありがとうございました。
お姉さんこそ気をつけてください!」


と笑って挨拶をして

お姉さんと別れた。












もうこの時には

チョン姉弟のことを
完全に信頼できるように
なっていたんだと思う。






私が断ったことに対しての
2人の発言が


私の人への不信感を緩和させてくれて






私はまだ気づいていなかったけど


私の歪んでしまった道は
彼らによって
真っ直ぐに整えられていっていた。




















お姉さんに会って2日経った日のこと







 
いつもどおりに仕事をしていたら




突然







「お疲れ様~」







背後からホソクさんが現れて




ビックリして手元の本が全て落ちた。










「わ~~ビックリした!!」






ホソクさんはふふふと笑うと


落ちた本を拾ってくれた。






「ありがとうございます……」







ホソクさんに告白されて以来
初めて会うから

なんとなく気まずく思った。







でも
来てくれたということは
ホソクさんは気まずくないのかな……










「そのスカート……」






そんなことを考えていると





ホソクさんが突然

私のスカートを見てそう呟くから



ハッとした。








「あ!お姉さんが
譲ってくださいました!」

「やっぱり…
似合ってるよ」


「あ、ありがとうございます」






褒められてなんか恥ずかしかった。










「今日はお休みなんですか?」

「うん。今日まで休み」

「そうなんですか…。
お疲れでしょうから
ゆっくり休んで
また頑張ってください」







ホソクさんはライブが終わって
一段落したから休みなんだろうけど




私はこの数日間で

チョン姉弟にすごい頻度で会ってる気がして



今まであまり会えなかったから

ちょっと不思議な感覚だった。









「今日のお昼
また中庭行ってもいい?」





また考え事をして
自分の世界に入ってしまってたから
そう言われて我に返る。






「あ…はい………」


「じゃあまた来るね」





ホソクさんは手を振ると
そそくさといなくなった。









ホソクさんはやっぱり普通で

私だけがなんとなくぎこちなかった。