「ところでさ、それ……」
ホソクさんは私の持っている
写真付のうちわを指差してきて
恥ずかしくなった。
「きょ、今日は……
ホソクさんを応援しに来たので………」
顔が熱い……
「や~~~嬉しいわ~~~」
ホソクさんは大きい声で
そう叫ぶものだから
思わず
「しーーー!」
と言ってしまった。
そしてなんとなくお互い笑った。
いつもの図書館で会う時の
ホソクさんの雰囲気で
なんだかすごくホッとした。
「今日は驚きました。
ホソクさんが
目の前にいらっしゃったので……」
「え~?おかしいなぁ~
いつも目の前にいるはずなんだけどなぁ~」
彼がふざけてそう言って
「あ、違うか」
と引くから
なんだかじっと見てしまった。
「言ってよ、近い席なら」
「会場行ってみないと
よく分かんなくて…」
「あそっか……」
「近くてビックリしました!」
「俺も。
モヨンちゃん眼鏡掛けてないし
うちわが俺だったから
驚いてラップ間違えそうになったよ」
「人のせいにしないでください」
私は色々と気づいてくれた事が
恥ずかしくて
誤魔化す為に軽く睨んでそう言った。
ホソクさんは失礼な私にも
何のお構いなしに笑った。
「ごめんごめん冗談。
モヨンちゃんは何も悪くない」
「ラップ……すごくカッコ良かったです…」
私は恥ずかしかったので
彼と目を合わせずに今日の感想を言った。
「ありがとう。
君はダントツ可愛かったよ」
私は予想外の彼の発言に驚いて
思わず目を向けた。
「やっぱり君は綺麗だった。
ステージから見ても……」
私は動揺した。
「でも俺は
そんなモヨンちゃんの外見だけじゃなくて
中身も素敵だと思ってるんだよ」
ホソクさんはそのまま言葉を繋いでいくから
私は動揺がおさまらなかった。
「最初はただ単に
本当にドジな子だなと思ってたよ。
2回も俺の前で転ぶんだから…。
でも段々仲良くなっていくうちに
面白い子だなって知って。
そのドジっぽさと
どこかドーンと構えている所
そのギャップが好き。
モヨンちゃんと話してるとさ
なんか俺和むんだ。
色々と悩むことも俺だってある。
そんな時
俺はモヨンちゃんに会いたくなるんだ」
ホソクさんは突然
好きとか
会いたいとか
そういう単語を並べてきて
私はどう反応したらいいか
何もかも分からなくなっていた。
「モヨンちゃんは過去に酷い目に遭って
沢山傷ついてきたでしょ?
だからこれからは
俺と楽しい思い出を作って
その傷を少しでも
癒していって欲しいと思ってる。
俺が君を笑顔にするから……
俺と付き合って欲しい……」
え………………?