ホソクさんと会うのは
気まずくなってしまったけど
LINEのIDを悪用するつもりもないし
見つかるかなとびくびくして
ホソクさんを思わず
チラチラ確認しながら
収録の様子を見届けた。
収録を終えると
BTSは部屋から出て来て
ペンの所を通ってくれるようだった。
人は沢山いるし
でもフェンスとかはないし
私の所には来ないだろうと思ってたのに
あろうことか
私の方にSPさんが向かってきてしまって
どこに隠れたらいいのかと焦ったけど
周りに人がぎっしりで身動きがとれない。
ジョングクさんが向かってきて
周りは大騒ぎ。
私の目の前が通り道になるようで
開けてと
スタッフに言われた通り下がったけど
後ろから押されて耐えるのに必死だった。
また転ばないようにするのに
必死過ぎて
憧れのジョングクさんを
見る所ではなくなってしまった。
ジョングクさんが行ってしまって
あ………
と後ろ姿を見送っていると
「あんまり押さないであげて」
と近くで声が聞こえた。
声の方に目を向けると
ホソクさんが近くにいた。
まずい、バレた!
と思って焦っていると
彼は耳元で
「連絡待ってるんだけど」
と言ったから
色んな意味で心臓が飛び出そうだった。
彼は驚いた私を見てニコッと笑って
その場を去って行った。
連絡……待ってる………?
彼がどういう意図で
私にそう言っているのか
やっぱりバラすのかなと疑いも
正直晴れないけど
今日も彼が私なんかを助けてくれたから
一言お礼が言いたくて
勇気を振り絞って
LINEのメッセージを送った。
