それから1週間ちょっと。
テヒョンくんからは何も連絡はなかったけど
元から連絡は
頻繁にとっていた訳ではなかったので
特に気にしてはいなかった。
バイトの方も特に変わったこともなく
以前のように
ジェントルマン社長が来て
ちょこっと話をするのが定番だった。
「最近彼氏とはどうなの?
上手くやってる?」
「上手くやってる………と思います。
たぶん……」
「たぶんって……
じゃあ微妙なんだね」
「そんなことないですよ!」
「ちゃんと会ってるの?」
「会ってはないです…」
「いつから?」
「ん~………
いつでしょう……」
「それはまずいんじゃないか……?」
「ずっとですよ?
彼、そんなに会える人じゃないので……」
そう口走ってハッとする。
ヤバかったかな……?
「偉い人なんだ……
海外行き来してるとか…?」
たぶん
社長の想像してるような人ではないけれど
あながち間違ってもいないので
「まぁ……そうですね…」
と答えておいた。
「有望株じゃん。
だからバイトしてるとか…?」
「いや、それは関係ないです」
社長に言われて初めて気づいた。
テヒョンくんのことを
芸能人と明かさないで説明するにも
すごい人っぽく聞こえてしまって
反って詮索されてしまう
危険性があるということを……。
その社長は空気を読んで
それ以上は聞いてはこなかったけど……。
「何かあったら相談してね。
おじさんだけど友達なんだから」
そう言い残して去って行った。
それから1週間が経っても
テヒョンくんからは何も連絡はなかった。
少し心配にはなるけど
きっと忙しいんだろうと思って
とだけ送っておいた。
でもそれから3日が経っても既読も付かず
返信もなかった。
そんな時だった。
いつかを思い出すような
ニュースが流れ始めたのは……
