その面談から1週間程経ったある日。






テヒョンくんから電話が来た。







「ヌナ、1週間ぶりだね。
変わりない?」


「ないよ。テテは?」


「元気だよ。
そういえばジェントルマンは
本当にジェントルマンだった?」
  

「何、その質問」(笑)


「ず~っと心配してたんだよ?
連絡は遅くなっちゃったけど……」


「ありがとう。
でもやっぱり素敵な社長さんだったよ。

今の弁当屋さんも合ってるから
もし嫌になったらおいでって。

全然圧もなかったし……」


「そっか。ならちょっと安心…」


「彼氏いるの?っても聞かれたし」


「え!?」


「いるよってだけ答えたけど
特に深く詮索されたりもしなかった」


「何それ。逆に怪しい……」






テヒョンくんは何を疑ってるのか
よく分かんないけど

急にテンションが下がった気がした。







「怪しい?」


「うん。
だってさ、浮気相手に最適って
思われたかもしんないじゃん」





テヒョンくんはどうやら
変な妄想をしているようで


どうもその社長を
信用しようとはしていなかった。







「とにかく!気をつけてよ!?
浮気…しないでよ??」


「ジェントルマン社長は
相当年上だから有り得ないよ。
テテもあんまり……モテないで……ね?
って言っても無理か……」




私は自分で言いながらも
無理なことだなと笑っていると





「相手にしないから大丈夫。
それよりさ…」



と話を反らされた。







「バラエティーとか音楽番組とか
色々収録が入るんだって。
またすごく忙しくなりそう……。
ヌナとまた会えなくなる……」


 



彼はやっぱりいつでも忙しい。


でも彼が頑張る姿をカッコいいと思うし
応援したいから


 


「あらら……
私のことよりまず自分の体を大事にして。
たまにちょっかいかけるかもしれんないけど
返せる時でいいから」



と伝えた。








「うん、ヌナ、ありがとね」







その後は彼が収録に関して
色々と教えてくれて


大変そうだな………と
私のことじゃないのに
気が重くなるようだった。

  








またね、と電話を切ると
時間はもう夜の12時だった。





遅くまで悪かったなと思いながら


彼の心配を少し緩和させようと


ジェントルマン社長の
会社のパンフレットの写真を
彼に送ってから眠りに着いた。