「ヌナ、浮気?」
「………え?」
「だって嬉しそうに話してるし……
カッコいいんでしょ?」
「いや……それはただ……
お客さんと仲良くなれたのが
嬉しかっただけで……」
「ねぇ、俺よりカッコいい?」
テヒョンくんのその問いは愚問だ。
「そんな訳ないでしょ!
テテよりカッコいい人なんて……
いるわけないよ…………」
自分で言って
ちょっと恥ずかしくなった。
「ヌナ。ご飯粒ついてるよ」
「え?どこ?」
顔を上げると
テヒョンくんは
向かい側から身を乗り出して
驚くことに
キスをしてきた。
私は不意打ちをされ
驚きのあまり固まってしまった。
「むふふ。
ヌナにカッコいいって言われるのが
世界で一番嬉しい」
テヒョンくんはニヤーっと笑っている。
「世界で一番ではない……でしょ……。
というかテテ
そういう不意打ちはダメ…」
「え~じゃあ不意打ちじゃなきゃいい?」
私は答えに困ってしまった。
「…いいから食べよ?」
私は再びごはんを食べ始めると
テテもニコニコしながら食べ始めた。
一足先に食べ終えると
食器を持ってキッチンへ行く。
「食べ終わったら持ってきてくれる?」
彼にキッチンから声を掛けると
「は~い」
と言いながら持ってきた。