楽屋へ戻ると
メンバーたちが何やら騒いでいる。
「お~~ホソギ~帰ってきた~
彼女来てたんだろ?」
ジンヒョンが近づいてきた。
「彼女ではないです」
「や~時間の問題だと思いますけど」
「ところでホソギ、足は大丈夫か?」
ユンギヒョンが心配してくれた。
「大丈夫です。
心配かけてすみません」
「彼女に手当てしてもらって
快方に向かってるでしょうよ」
テヒョンは女の子のように手を組んで
目をキラキラさせていて
僕は吹き出しそうになった。
「さっきホソギと
ジョンゴギたちを探しに行ったら
ホソギが眼鏡の子連れて
通り過ぎてったから
あれ?と思って」
「あ~~ちょっと
僕を心配して来てくれて……」
事情を説明しかけたところで
マンネたちが彼女について
口々に感想を言い始めたので
後は彼らに任せた。
「モヨンちゃんって言うんですけど
眼鏡取ったら
あらびっくり!
超可愛い顔してて~」
「あんな可愛い子に湿布貼られたら
そりゃ良くなりますよ~」
「ホソギやるなぁ~~
俺も見たかった~!」
ナムジュンが悔しそうにしていた。
彼女が来てくれたおかげで
僕の怪我で
少し不安感のあったメンバーたちも
幾分和んだようだった。
その後は
メンバーとスタッフと
医者の意見を加味して
明日は予定通りに公演をする方向で
話は進んで行った。
翌日の公演は
彼女は来れないと言っていたけれど
彼女から応援メッセージを貰って
僕のやる気は十分だった。
来てくれたファンの子たちも
SNSで僕の怪我を知っていたようで
MC中にも
「大丈夫~?」
という声が聞こえてきた。
僕が
「全然大丈夫で~す!」
といつもの感じで言えるくらい
僕は怪我の影響をあまり受けずに済んだ。
公演が無事に終わると
またすぐに
テレビに出演したり
撮影があったり
怪我の経過を気にする余裕もない程
忙しい日々を過ごした。