彼女は立ち止まって振り返る。
「紙とペン持ってない?」
僕がそう言うと
彼女はバッグから
メモ帳とペンを取り出して
僕に差し出した。
「君のLINEのID教えてよ」
※実際はカトクだと思いますが
筆者のやり易さからLINEにしました。
「え…?
あ……………遠慮……しときます………」
僕は はっ?と思った。
「え、なんで?」半笑
「私のIDを中学の同級生とかにバラして
嫌がらせするんじゃないですか……?」
無愛想な上に
被害妄想もスゴくて
ちょっと驚くけど
でもなぜか僕は面白く思った。
「ハハハ。そんなことしないよ。
じゃあ俺の書いとくから連絡して?」
僕は彼女の手から
メモ帳とペンを奪うと
自分のIDを書いて
㊙️マークも書いた。
そして彼女にそれを渡す。
「君、眼鏡外した方が可愛いよ」
僕はそう伝えて
ロビーを後にした。
結局その日も
何日か経っても
彼女から連絡が来ることはなかった。
でも僕は
彼女に連絡先を渡したその日から
彼女の事が気になって仕方がなかった。
中学の名前で検索しても
Facebookで探しても見つからないし
彼女の手掛かりは
何一つとしてなかった。
しかし
神様が味方してくれたようで
それから約1か月後に
彼女と再会を果たすことができた。