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2017年5月某日。
hs「テヒョン!そろそろ起きないと遅刻するぞ!」
昨夜も仕事が押して帰宅が深夜も回ってたからほんとはゆっくり寝かせて休ませてあげたい気持ちもやまやまだけど、こう見えてもテヒョンはまだ社会人一年生だし、夢に向かって歩きだしたテヒョンを応援したいから、ここは心を鬼にして寝室のカーテンをこれでもかっ!!て勢いで開けると心地良い陽射しが部屋に射し込む。
th「んんっ!!」
射し込んだ陽射しが眩しくて寝返りをうってまた反対側を向いて眠ってしまう。
th「…」
hs「ㅋㅋㅋ」
よく眠っている無防備で幸せそうなテヒョンの寝顔を見ているとテヒョンが入社したばかりの頃を思い出す。
今の事務所に入社してから暫くして、寝坊して遅刻したときに社長にこっぴどく叱られてあんなに落ち込んで反省してたのに、また社長に怒られたらどうするんだ?
まだ会ったことないから、どんな社長かは分からないけどテヒョンの話だと仕事では厳しいけど仕事以外ではテヒョンにとって良いアニキみたいな…ナムジュンとユンギさんを足して2で割った様な人らしいㅋ
テヒョンが入社したばかりの頃、テヒョンがお世話になるから俺も会って挨拶したいと言ったら。
th「まだダメ」
と、言われた。
hs「なんでだ!?」
と、聞き返したけど"ダメ"の一点張りだったからそのときは引き下がったけど、やっぱり俺としてはなんで"ダメ"なのかそれからも理由が気になって仕方なかったけど、なんとなく聞けないままだったりする。
th「…」
幸せそうなテヒョンの寝顔を見ていると、ほんとにこのまま寝かせてあげたいけどそれじゃダメ主夫だぞ!俺!
そして、俺はテヒョンのとっておきの目覚ましになる。
hs「テヒョンㅋ」
ほんとは俺だって一日中、お前といたい…。
じゃあ、このまま寝かせてやればいいだろ?
昨夜も遅かったんだし?
そんな声が頭の中で囁く…。
ダメだ!
ダメだ!
テヒョンの夢を知った日。
テヒョンが撮りためた宝物達を見せられたあの日、俺はコイツの夢を何があっても応援するって決めたんだ!
th「…」
テヒョンㅋ
あの日、お前が俺の夢になったんだㅋ
hs「テヒョン、起きろㅋ」
額に…瞼に…頬に…キスを落とす。
そして、優しくテヒョンの唇に俺の唇をそっと重ねる。
th「んんんっ…!!ヒョン、おはよㅋ」
目を覚ましたテヒョンが、俺を優しく抱き寄せる。
あったかいㅋ
俺の大好きな場所がいつもここに在るㅋ
いやいや!
今は寝起きのテヒョンに絆されてる場合じゃなかった!
hs「テヒョン!もう起きて準備しないとまた遅刻して社長に怒られるぞ!」
th「うんㅋヒョンありがとう」
テヒョンが俺をぎゅっと、一度強く抱きしめる。
これが最近の俺とテヒョンの寝起きのルーティンㅋ
そして、一緒に軽く朝ごはんを食べ終えると身支度を済ませたテヒョンを玄関で見送る。
th「行ってきますㅋ」
hs「行ってこいㅋ」
th「ㅋㅋㅋ」
そう言って、テヒョンを優しく抱きしめてキスをして笑顔で見送る。
これがテヒョンが社会人デビューしてからの毎朝の俺たちのコミュニケーションルーティンになったㅋ
そして、テヒョンが行ってしまうと途端に家の中が広く感じて寂しくなる…。
th「ホソクヒョンもやりたいことあったら我慢しないでㅋ」
テヒョンは優しい。
俺を縛らない。
俺のやりたいこと…。
テヒョンの夢が俺の夢になったけど、きっと俺のやりたいことは今のテヒョンの負担にしかならないから、今の俺にできることはテヒョンの夢を応援することだ!
かと言って、テヒョンと一緒じゃないと何処かに出かけたい!
という気も起こらない…。
hs「テヒョン…」
分かってはいたけど、一人になるとテヒョン恋しくて、俺はテヒョンの匂いのするベッドに埋もれて愛しい人の匂いに包まれながらテヒョン思いに耽ける。
これが、テヒョンが仕事に行った後の毎朝の俺のルーティンになっていた。
暫くベッドに埋もれてテヒョンがここにいた温もりを感じていると、携帯が鳴って我に返る。
着信はテヒョンからだった。
hs「どうした?」
なんか嬉しかったりするㅋ
th「ヒョン!ごめん!午後から必要なレタッチの資料忘れたから届けて貰えるかな?寝室のテーブルの上にあるはずなんだけど?」
お前が困ってるのに、不謹慎な俺でごめん。
hs「あったぞ!」
こんなことでも、夢に向かって頑張るテヒョンの為に何か出来ることが嬉しい。
th「ヒョン、午後までにあれば大丈夫だから、焦らないで気をつけて来て」
hs「うんㅋ」
少しココロが弾むㅋ
ドキドキ、ドキドキ。
仕事をするテヒョンはきっと、いや間違いなく誰よりもカッコいいはずだからㅋ
そんな、俺の心模様とは裏腹に5月の晴れた心地の良い青空は急に曇り空になることもあることを、この時の幸せで浮かれた俺はまだ知らない。
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