◆実際、技能実習生は搾取されているのか①
報道では技能実習生が日本に来て労働を搾取され、過酷な環境で働かされているということが言われます。では実際はどうでしょうか。まずマスコミはその性格から、めったにない事を記事にし放送しますね。事件や事故のネタ(取材先)は警察や消防等から提供されますので、事件性のある報道がされがちです。皆さんご承知のとおり「技能実習生は仕事にとても満足で、幸せに暮らしていますよ」といったことはニュースバリューがないためなかなか報道されない訳です。先般、某NHKで四国の縫製業で働く技能実習生があまりに過酷な労働環境にあって、雇用条件と違う実習をされていたためNPOがレスキューしたと放送され話題になりました。例えばこのNHKのように、現場ではパワハラを受けて最低賃金に到底届かない給料で長時間働かされているトンデモない企業が存在し、期待に満ちた外国人を不当に扱うのは許しがたい、という論調が視聴者(読者)受けする(と思われている)からです。残念ながら実際に似たような事例はあると思われます。しかしながらもはや概ね40万人の技能実習生が日本全国にいるわけで、日本人労働者に対してさえパワハラ、セクハラ、ブラック企業が毎日のように報道される中では、NHKで放送されたような状況は無いとは言えませんが全体の数からいえば稀であると推察されます。とは言え、皆さんが気にされている、では技能実習生は実際に幾ら貰っているのか、です。まず労働者の待遇に関して、最近で最も影響が大きいのは2020年4月1日から中小企業にも施行された働き方改革関連法です。正式名称は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」と言い、改正労働基準法とも言われるように、時間外労働の上限規制(法第36条)、年次有給休暇の確実な取得(法第39条)等労働基準法に関係する法律が主で、違反者には罰則が科せられます。実際これまではサービス残業や残業代の未払いが常態化していた日本の企業、特に技能実習生を受け入れている中小企業も厳格に法律が適用されるようになったわけです。つまり法令を遵守し厳格に給料を払わなくては罰せられるのです。また毎年10月に更新される最低賃金もこのところ全国的に毎年20数円上昇し、現在では最も高い東京都で時給1013円、神奈川県で1011円、などとなっています。例えば横浜市の企業が技能実習生を受け入れた場合、1日8時間労働、1週40時間、月平均4.3週(21.5日)とすると、1,011円/時間×8時間×21.5日=173,892円となります。仮に月間8時間(週2時間)の残業があったら、1,011円/時×125%×8時間=10,110円。合計184,002円です。ここから住居費(最大2万円)、水道光熱費、社会保険料、税金が控除され概ね13万~14万円の手取りとなります。首都圏は最低賃金も高めですので給料も比較的高いと思われると思いますが、地方でも企業によっては残業の多いところや、特に建設業は日当計算で日曜日が休日(月間24、5日就労)というところもありますので、大都市圏のみならず、実は地方でも月給20万円以上の技能実習生がいます。もちろん景気にも左右され、企業経営者の資質にもよりますが、世間で思われるほど技能実習生は虐げられているわけではなく、日本人の非正規労働者やパートさんより好待遇な技能実習生も多いことも知っていただきたいです。