ちょうどインフルエンザが逸っていた時でくるニックは予防接種で混雑していた。

相変わらず足の痛みで吹き出る汗は止まらず、暖かい待合室なのに1人扇子で仰ぐ私。

 

即、患部を氷で冷やしてもらい点滴で痛みを和らげる。

40分ほどかかったが、終わる頃には少し痛みが引いていた。

 

血液検査と尿検査の結果は散々たるもので、測定不能という欄もあったほどだ。

Γ−GTPは異常に高くても肝機能だけは健康だったから、今まで人間ドッグでもさほどキツく注意を受けなかった。

 

だが今回は違う。

肝機能も衰えている。尿酸値も異常に高い。

とにかく「H=(高)」だらけである。

普通なら間違いなく入院だろう。

 

先生「紹介状を書きますから、まずB型とC型の肝炎検査を受けてみましょうか」

孤高「わかりました、お願いします」

 

結果が出るまで1週間。

肝炎ではなかった。

しかしクリニックでは薬を処方しても良いかさえ判断できないと言われ、大きな病院を紹介された。

 

予約日を待って訪れた比較的大きく小綺麗な病院。

担当はしっかりした感じの女医さんだった。

先生「よく痛風が出ましたね。このまま痛風が出ていなければ貴方は飲み続けたでしょう?この数値だと下手すると大変な事態になっていたかもしれませんよ。きっと神様が痛風で危険を教えてくれたんですよ。だから感謝して一度お酒を控えてみてください。それでもう一度お酒が原因かどうか検査しましょう。」

 

涙が出そうになった。

 

元々私はアルコールが大好きだ。抜いたことがない。

酒の席も好きだし、何より私は小心者で神経質な性格だ。

だから責任の重い仕事を任され無事に終えたりすると飲みに出たくなる。

家でも缶ビール500㎖を1日で軽く10本以上は飲む。

酔うまでやめない、寝るまでやめない。

 

良いとか悪いとかではない。

飲まずにはいられないほど、本当はきっと辛く苦しいのだ。

いつしか飲むことが習慣になっていた。

 

仕事の約束を当日延してもらったこともある。

遅刻も何度かある。

救急車で運ばれたこともある。

 

知らず知らずに悲鳴を上げるほど肉体を痛め続けていたことに気づかなかった。

仕事ができなくなるほどに。死ぬかもしれないほどに。

悲鳴を上げている身体の声を聞いてこなかった。

 

ごめん、本当にごめん。

今更だけど、もう一度だけ機能してくれるか?

支えてくれるか?

 

このとき決意した。

先生が言ってくれた言葉を一生忘れはしない。

もう2度と身体を傷つけないと。

 

続く