今日、好きな人から花をもらった。
誕生日やイベントでもないのに。
「花屋に行ったら、君のイメージにぴったりだと思ったから」
ひまわりより小ぶりの黄色の花が、鉢の外にあふれそうになりながら、ぱっと開いている。
私のイメージってなんだろう?
黄色い服は持っていないし、特別好きな色でもない。
持ち物なんて、むしろ赤系統が多いのに。
「鉢植えより切り花のが、部屋に飾れるのに」
好きといっても、私の片思い。
向こうの誕生日やバレンタインにはプレゼントあげてるから、私の気持ちを知っているとは思うけど。
でも、私の事は何も知らないんだろうな。
知ってたら、黄色い花は選ばない。
それより何より、花なんかより一緒に過ごす時間の方が、何十倍もうれしいのに。
「花渡すだけに、わざわざ呼び出すなんて」
日がよく当たるベランダに、もらった花を置いてみた。
「枯らさないようにしなくちゃな」
いらないコップに水をくんで、花の根元にたっぷりかけた。
「この後、人と会うからって、それなら違う日でいいのに」
花に向かって独り言。もちろん、何も答えない。
「わざわざ花屋に行ったのかな?」
少しうれしくなって、顔がにやけた。
「メールで聞いたら、なんて答えるかな?」
でも、そんなの聞いたら、うぬぼれてると思われるよね。
心が即答した。
「まぁ、いいか」
頭が好きな人でいっぱいになったら、考えるのがややこしくなった。
黄色い花は、素知らぬ顔でひなたぼっこをしている。
―― ディモルフォセカ、花言葉は「元気」
あれからしばらく経ってから、花の名前を初めて知った。
そして、あの日花屋に行ったのは、私のためじゃなく、後で会う人のためだったという事も知ってしまった。
黄色い花は今でもベランダで、素知らぬ顔でひなたぼっこをしている。