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=BitterSweetChocolate=ノブログ

2010年から、ALS(筋萎縮性側索硬化症)になった父の事を中心に、時にゆるゆる~、時に熱く!思いのまま書いてます。

今日、好きな人から花をもらった。


誕生日やイベントでもないのに。



「花屋に行ったら、君のイメージにぴったりだと思ったから」



ひまわりより小ぶりの黄色の花が、鉢の外にあふれそうになりながら、ぱっと開いている。


私のイメージってなんだろう?


黄色い服は持っていないし、特別好きな色でもない。


持ち物なんて、むしろ赤系統が多いのに。



「鉢植えより切り花のが、部屋に飾れるのに」



好きといっても、私の片思い。


向こうの誕生日やバレンタインにはプレゼントあげてるから、私の気持ちを知っているとは思うけど。


でも、私の事は何も知らないんだろうな。


知ってたら、黄色い花は選ばない。


それより何より、花なんかより一緒に過ごす時間の方が、何十倍もうれしいのに。



「花渡すだけに、わざわざ呼び出すなんて」



日がよく当たるベランダに、もらった花を置いてみた。



「枯らさないようにしなくちゃな」



いらないコップに水をくんで、花の根元にたっぷりかけた。



「この後、人と会うからって、それなら違う日でいいのに」



花に向かって独り言。もちろん、何も答えない。



「わざわざ花屋に行ったのかな?」



少しうれしくなって、顔がにやけた。



「メールで聞いたら、なんて答えるかな?」



でも、そんなの聞いたら、うぬぼれてると思われるよね。


心が即答した。



「まぁ、いいか」



頭が好きな人でいっぱいになったら、考えるのがややこしくなった。


黄色い花は、素知らぬ顔でひなたぼっこをしている。





―― ディモルフォセカ、花言葉は「元気」


あれからしばらく経ってから、花の名前を初めて知った。


そして、あの日花屋に行ったのは、私のためじゃなく、後で会う人のためだったという事も知ってしまった。




黄色い花は今でもベランダで、素知らぬ顔でひなたぼっこをしている。














昨日は「今日の誕生花」休みました。

毎日続けるって大変だと改めて実感(-ω-;)


昨日の分は今日中にUPします。

キブシの花かんざしが 春の訪れを告げる


うす黄緑の小さな花たちが 足元の草花に あいさつをした


おはよう おはよう 春ですよ


だけど みんな ぐっすり眠っていたのか


すぐには起きてこない


ただ 春はまだかと待っていた


一年生だけが


あたまをぐいっと起こして


ちからいっぱい胸をはった


太陽のひかりを たくさんあびて


雨のしずくを たくさんのんで


せいたかのっぽの競争で


一等賞になるように


キブシの花かんざしが 風のいたずらで大きく揺れた


他のみんなも飛び起きて


しゃんと背すじをのばして立った


一年生に 負けないように


一等賞になるように













久しぶりに実家に帰ってきた。


特別な用事ではなく、有給消化でまとめて休みが取れたからだ。


たまに電話をすると、親が言う事は決まっている。


まだ結婚しないのか、付き合っている人はいるのか、いつまで一人暮らしを続けるつもりか。


面倒なので、いつも答えをはぐらしていたが、せっかく帰ってきたので、今日ははっきり言おうと思っている。


少し前まで付き合っていた人がいた。


もちろん、結婚を考えた時期もあったし、二人の間でそんな話も出た事がある。


でも、その相手はある日こう言った。



「二人の未来がイメージ出来ない」



そして、二人の関係は終わった。


そういう事なので、今は結婚する相手もいないし、そんな気も起らない。


一生仕事に生きていくかもしれないし、突然こうして戻ってくるかもしれない。


ただ、今はもう少し一人自由気ままに暮らしたい。



「ちょっと買い物してきてくれない?」



帰って早々、母から何年ぶりかのおつかいを頼まれた。


車を出すほどの距離でもなく、買うものも少ないので、散歩がてらに歩く事にした。




実家の周りも、子どもの頃とは全く変わってしまった。


昔、畑や田んぼだった所は住宅地に変わり、外国のおもちゃみたいな家が建っている。



「ここも家が建ったんだ」



田んぼのあぜ道も舗装されて、石ころ一つ見つけるのも難しい。


転んで泣いて帰った道は、真っ黒なアスファルトになっている。



「全然面影ないな」



そうして、昔の景色を重ねながら歩いていると、空き地に咲いた紫色の花が目に入った。



「わ、懐かしい……」



ムラサキハナナ。


子どもの頃に母に教えてもらった花。


でも、なかなか覚えられなくて「ムラサキナナハ」と言っては、母に笑われていた。


だから、よく覚えている。



「まだあるんだ、この花」



昔は野原にたくさん咲いていたムラサキハナナ。


今は空き地の隅で、ぽつんと一人揺れていた。



「お母さん覚えてるかな?ムラサキナナハって間違えてたの」



摘み取ろうかと思ったけれど、少し考えて手を止めた。


明日にでも母を連れて見に来よう。


まだ休みは残っている。



「もう少し咲いててね、ムラサキハナナさん」



しばしの別れを告げて、私は大きく腕を振って歩き出した。
















「これだけ他のとちょっと違うくない?」



お花見の途中、みんながいるところから抜け出して、私は彼と一緒に公園の中を探索していた。



「そう?おんなじ桜っぽいけど……」



せっかく二人きりなのだから、手を繋いだりしたいのに、彼は小さな子どものように、あっちこっちと駆け回る。


そして、やっと止まったかと思ったら、よく分からない事を言い出した。



「えー絶対違うって!なんかカンジが違うじゃん」



「桜の種類が違うんじゃないの?」



私がしたい話は、この後二人だけで飲みなおそうとか、今度の休みは何してるの?とか、そんな話。


お花見なんて、単なるきっかけなんだけど。



「あー!ほら、やっぱりそうじゃん!これ見てよー」



彼は、木の幹につけられた札を見て、私を手招きした。



「『スモモ』だって!ほら、桜じゃないでしょ?」



彼は、仕方なく札を見た私に勝ち誇ったように言った。



「ふーん……」



興味のない私は札を見ながらも気のない返事をする。


今は花より、もっと楽しい話がしたい。



「もしかして怒った?」



そんな私に気づいたのか、彼は心配そうな顔をして私の顔を覗き込んだ。



「え、怒ってはないよ」



「ホント?」



「うん。でもさー」



「うん」



思い切って言おうかと思った。私が本当にしたい話。


でも、彼の顔が真正面にあると、素直になれない。



「何でもない」



急に恥ずかしくなって、私は目を逸らした。


顔が赤くなっていくのが自分で分かる。



「えー!なんだそれ」



彼は声を出して笑った。


そして、何の躊躇もなく、私の手をすっと取る。



「そろそろみんなの所に戻ろう。で、その後、二人でどっか行こうよ。ゆっくり座って話したいし」



「う、うん」



私は視線を合わせずに、小さな声で返事をした。


思わず彼の手をぎゅっと握りしめていた。



「スモモって桃の親戚なのかな?」



また彼はよく分からない事を言い出した。



「知らないよ、そんなの」



彼と私は手を繋いだまま、歩き出した。


彼の手は大きくて、とても温かかった。