テヌータ サン グイド:サッシカイア 1984 vol.1 | 古きイタリアワインの魅力を読み解く

古きイタリアワインの魅力を読み解く

イタリアンワインガイド ガンベロ・ロッソ 1988-1989
イタリアワイン界に多大な影響を与えるガンベロ・ロッソ Gambero Rossoですが、この初期(1988や1989当時)のレアなイタリアワインと古酒の数々を、掘り下げて解説します。

Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.26

Tenuta San Guido-Sassicaia1984 その1

 

さて、今回はSassicaia。謎多きこのワインを、その歴史を踏まえながら、畑情報もお書きします。

 

生産初年度:1968(3000本)、

平均生産本数:90000本(1995当時)、CS85、CF15、

畑名称:Castiglioncello(海抜320m、2h、南~南東だれ)、

Mandorioli(海抜最高90m、4h、南~南西だれ)

Sassicaia(75m、12h、南~南西だれ)、

Aia Nuova(海抜75m、12h、南~南西だれ)

畑土壌性質:広範囲に渡り様々な性質を持つ。ガレストロ、石、砂利、粘土。

山間部のCastiglioncello畑は石灰岩を多く含む。

平野部(Mandorioli, Sassicaia, Aia Nuova)は砂利・粘土傾向が強い。

栽培方法:コルドーネスペロナート、

密植度/h:3600本と5500本、

平均樹齢:20年、

resa:40~45qli、

収穫方法:手摘み、

ファーマ&マセ容器:INOX、

容量:7500l&12000l、

温度:30℃、

温度調整法:水冷式、

ファーマ&マセ合計日数:13日間、

樽熟成期間:20ヵ月、

樽熟成容器:3/4フレンチバリック、1/4スロヴェニアンオーク、

新樽率:60%、他樽齢1~2年を使用、

清澄:卵白

 

畑地図を二種類載せました。Vigneti Guidalbertoが掲載されている方が古いバージョンです。

 

右上:Castiglioncello(海抜320m、2h)、Quercione(海抜300m)、

中央右:San Martino(海抜80m)、Mandorioli(海抜最高90m、4h)

中央左:Sassicaia(75m、12h)、Aia Nuova(海抜75m、12h。一部文献にはAlianocaとの記載あり)

ざっくりこの3つの畑区域でSassicaiaの原料ブドウが収穫されます。

開墾・買収順に

Castiglioncello、Sassicaia、Aia Nuova、Mandorioli、San Martinoとなり、Quercioneの開墾時期が分かりません。≪参考≫Vigneti Guidalberto(三か所、平均海抜90m。全て借り畑。場所は地図参照の事)

初期はCastiglioncelloのみから収穫(1968:約3000本生産)、その時のカンティーナ設備はCastello di Castiglioncello。すぐに手狭になり、現在の場所、(Guidalbertoのエティケッタに書かれた)San Guidoの時計台近くに引越し、会社名をTenuta San Guidoと改めます。『Sassicaiaの畑』として山麓の畑写真が紹介されているのは全てCastiglioncelloとQuercioneで、他はほぼ平野部です。

 

ワイン生産工場は写真も含め未公開ですが、別棟として、2007~2008年にバンケット設備を備えた新しい樽貯蔵庫が完成、こちらは内部公開されました。建築家はAgnese Mazzei。実はFonterutoliオーナーのMazzei一族の一人です。

 

下記はMarchese Nicolò Incisa della Rocchettaのインタビュー動画です。

https://youtu.be/sW4F5xbmPDg

 

次回でSassicaiaをまとめます。