Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.14
Distillati&Liquori di Gualtiero Marchesi
Romano Levi-Grappa その2
前回の続き。LeviのGrappaです。
変わらず美味いですね。その要素はなんでしょう。
・供給されるVinacceの質の高さ
Gajaを筆頭に有名処がvinacceを供給する。しかも各社絞りが甘く、果汁も豊富に残留している。出かけた時、Vinacceの薫りをかがせてもらいました。残糖分が発酵している様な、もうその時点から美味な薫りです。手にすくうと温かい。実に芳しかった。
・樽熟
蒸留されたグラッパは直接樽へと入れられ、熟成庫で1~10年、たまに貯蔵場所と時期を忘れられて20年以上のものも。20年物?絶対美味い。
・直火焚き手作業による単式蒸留の手加減さ、ある種の甘い手加減
機械式或いはバンマリー式による正確な蒸留では無く、100%手作業による蒸留の為、好みの純度に微調整が可能。この加減、絶妙です。
・希少性に由来する雰囲気
飲む前からそのGrappaの希少価値が知らしめており、飲み手がその雰囲気に負けている。純粋な味評価に繋がらない。仕方ないですね。もう二度と彼は生産出来ないのですから。
・手書きエティケッタ
多種に亘る独特なエティケッタは有名デパートやブランドの包装紙・ショッパー効果があり、その時点からLeviのGrappaを飲むのだと身構えている。エティケッタだけでアートです。
・Veronelliの賞賛
イタリアワイン界の重鎮『Veronelli』が生前から褒め称えており、マスコミを含むワイン業界全体で『Levi最高』の雰囲気が出来上がっている。そうです、Leviは最高です。マルケージも大好きだったし。
・コストパフォーマンス
グラスで飲むので、一杯を安く感じる。『これだけ安く世界最高のGrappaを味わえるのか』という気持ち。だってアポを取り現地で入手する場合は一本4000円未満。
・Grappaの評価本が無い
Vini d’Italiaの様なGrappa評価本が存在せず、誰もブラインドで各Grappaを論じていない、評していない。私自身、夥しい本を買ってきましたが、Grappa評価本は一冊も無し。
ざっくりこんなところでしょうか。特に供給されるVinacceはLevi用に若干絞りを甘く果汁を残した優良生産者の逸品揃い。蒸留具合の加減ができる直火単式は、操作が難しいながらも手心が加えやすく、きりきりした蒸留酒ぽくならない利点が。踏まえて、生産者をとりまく神話的要素とエティケッタ、Veronelliの猛プッシュが加わり、我々が飲む前から勝負がついている気がします。ましてや評価本も無く、実は直売で購入出来れば、非常に安い。ブランデーに比べ、Vinacceは程よくアルコールがきついのに、そこの角が取れている訳ですから。変に甘ったるくなく、熟成しつつもキリリとしており、本当に素晴らしい。
今日はここまで。
明日、LeviのGrappaを総括します。
次いで、Leviの古いエティケッタも明日ご紹介しましょう。
今日は生前のLeviの写真と、エティケッタを二種。70年代です。