この未来が未来ではなくなる日 | ブラウンの熊たち

ブラウンの熊たち

ブラウン大学在学中の日本人学生(熊たち)がブラウン大学のクレイジーな日常生活をあなたに届けるぜ!

おっす皆さん。
オラともちーに。

先日はやぶさ2が無事発射しましたねー!
画面前でライブ中継を必死に見ておりました。
でも眠くなったので途中でギブしました。
めんご。

突然ですが皆さん、地球以外の場所で住むことを考えた事はありまっかい?

あまりないべ?
だってこの地球が滅亡する日を想像することは難しいもの。
たまに耳にする、「隕石がいつ落ちてくるか分からない」という科学者の言葉も、実際に隕石が地球に向かっているという情報がなければ、人は動かないでしょう。


人間とは意外と腰が重い生き物でもあります。
あるイベントがあるとします。
そのイベントが自分の身に直接何かの影響が無い限り、そのイベントに対して興味も抱かなければ行動をも起こさないのです。

例えば、貧困問題。
ほとんどの人は、自分が裕福に生活できている限り、他国の事情に関心を示さないでしょう。

自分が直接貧困によって影響を受けない限り、なかなか行動を起こそうと思えない。
しかしもし俺の家族や友達が一人でも被害を受けていたら、俺は行動していたでしょう。
あるいは、大学で貧困問題について学んでおり、貧困解決を将来の仕事としているのであれば、何かしていたかもしれません。

隕石の話に戻ります。
もし隕石が実際に地球に向かっていなければ、地球上のほとんどの人々は「地球以外の星に住む」なんてことを思いつかないでしょう。

同じ理由で、ほとんどの人は宇宙での活動に興味がありません。
なぜなら、宇宙での活動が地上での生活になんの影響もないと考えてしまうからです。
よく、

宇宙開発なんて金の無駄遣いやん!」という意見に対して、

でも宇宙開発の過程で生まれた製品(スピンオフ製品)は日常生活に溢れているんだぜぇ!
と言う人がいます。
俺もその一人でした。

例えば、皆が今もこの瞬間使っているケータイ、運転に必要不可欠なカーナビのシステム、汚い水を浄化するためのろ過機...
これら全て、宇宙開発の過程で生まれたテクノロジーの上成り立っています。
なので、宇宙開発は決して金の無駄遣いではない...と。

でも、気づくのです。


ほとんどの人にとっては、その製品が使えるか使えないかが重要であって、その製品が生まれるプロセスは関係ないのだ。
その「プロセス」が「製品」にならない限り、人々は宇宙に関心を持たないでしょう。

「人は自分に直接影響があるもの以外に興味は示さない。」

これは、最近ある宇宙関係のプロジェクトを行っていて気づいたことです。
うーん、前から気づいていたけど、もしかしたら認めたくなかっただけかも(笑)

「宇宙」を人々に広めることを活動としたい俺にとって、この気づきは辛いものです。
俺はこんなにも宇宙が好きなのに、一番聞かれて困る質問は、

「なんで宇宙に行かなきゃいけないのよ!
アタシと宇宙、どっちが大事なのよ!」

です。

そりゃ、理由はいくらでも上げられます。
小さいときに天体望遠鏡から覗いた月面のクレーターがカッコ良すぎて全身に鳥肌が立ったから、とか。宇宙飛行士になって火星に行きたいからー、とか。

でも、宇宙が俺にとって素敵に見えるのは、俺が宇宙を目指しているから、宇宙について勉強しているから、宇宙飛行士になりたいから。
全て、自分に関わる理由があるから。
これを、宇宙とはほど遠い生活を送っている人々に押し付けるのには無理があるんです。

そこで、俺は考えます。


「じゃぁどうすればええねん。」

そもそも、解決策なんてないのかもしれない。
そもそも、こんなこと考えなくて良いのかもしれない。
だって99%の地球人にとってはどうでもいい問題なのだから。

そこで、俺はナゾナゾならぬ、「ナゼナゼ」ゲームで遊びました。
なぞなぞみたいに、友達がいなくては成立しないゲームじゃなくて、ナゼナゼは一人でも出来るから最高です。

ルールは簡単です。
自分が出す答えに対して絶えず「なぜ?」と聞き続ければ良いのです。
たまに口調を変えて「なんでやねん」とか、ちょっとイラっとさせる感じで「なーーーーんーーーーでぇぇぇぇーー?」というと、少しテンションが上がります。

ってかこのゲーム、別に何も新しくなくて、アメリカの大学入試でも使ってました。
物事の本質にたどり着けるからです。

さて、今世界を轟かせている起業家、イーロン・マスク氏も言っていました。

Boil things down to their fundamental truth. Then reason from there, as opposed to reasoning by analogy

上手い翻訳が思いつかなかったので、Google翻訳してみました。


彼らの基本的な真実に物事を煮詰める。次に理由類推によって推論とは対照的に、そこから。

うん、まぁ、うん。
いろいろつっこみたいけど、意味は大体掴めてますね。

今回もそうです。
「なぜ人類は宇宙に行く必要があるのか?」

この問いに完璧な答えがあれば、NASAやJAXAが過去50年間宇宙開発の宣伝に苦しむ事はなかったでしょう。
つまり、今日の時点では、この問いに答えはないのです。
あったら、とっくに人類は火星に行ってるし!

もしかしたら他の方法があるのかもしれない...
例えば、今は「宇宙はカッコいい」という子供がたくさんいるが、実際宇宙業界で働く人は少ない。
その間に何かがある。
宇宙をカッコ良く見せるのではなくて、宇宙開発というプロセスそのものをカッコ良く見せれば良いのでは...?

などと、ここ数日ブレインストームしています。
自分なりの答えが出かかっていますが、まだ完璧ではありません。
引き続き、日々ナゼナゼゲームを続ける事でしょう。

そういえば、日本では11月22日に「インターステラー」が公開されましたね。
まだ見ていない方がいると思うので、ネタバラしはしませんが、まぁ最後みんな...

おっと。
すみません。
わざとです。

インターステラー、面白くて2回も見てしまいました。
こりゃ三回目まで行く雰囲気です。
この映画についてはまた今度書きたいと思います。

インターステラーを見て、「あぁ、こんな未来がそろそろ現実になるのか...」と思えた方は、宇宙に少し興味を持ち始めるかもしれません。
映画を通して、宇宙を広めるのはかなり効果的です。
やっぱビジュアルがあるのとないのではかなり違いますから。

あ、あと、先日あるビデオがネット上で話題になりました。
リンク先で見れます。


さっきからちょこちょこ貼ってる写真、実はこのビデオのスクショです。
このショートムービーでは、人類が地球を脱出したらどんな世界が待っているのか、という想像を描いています。

しかし、ただの想像ではありません。
なぜなら、この映像に出てくる世界は全てこの太陽系に実在しているからです。

ご参考までに、シーン別に登場する世界を記載します。

0:45 - 木星
0:56 - 土星の月、エンケラドゥス
1:06 - 土星の輪
1:19 - 火星地表に降下する宇宙エレベーター
1:36 - 火星地表(ヴィクトリア・クレーター)
1:44 - 火星の日の入り
1:52 - 土星の月、イアペトゥス
2:03 - 小惑星
2:13 - 小惑星内部の人口地球(実現可能)
2:25 - 木星の月、エウロパ
2:34 - 土星の月、タイタンのリゲイア海(水ではなくメタン)
2:42 - 天王星の月、ミランダでのバンジージャンプ
2:55 - 土星の雲から見る輪

ということです。
こんな未来はいつ来るのでしょうか。
いえ、待つのではなく、自分たちで切り開いて行かなければいけません。

トモチーニは今日もナゼナゼゲームを続けます。
この未来が未来でなくなる日まで。


はい、バイバイキーン。


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