『ノルウェイの森』をまた読み返している
この前読んだのはいつだったか……
思い返せない
おかげででも新鮮味を感じる
喪失と再生
村上春樹作品に描かれる多くのテーマだ
僕は今帰りのバスの中でこれを読んでいる
直子が突然いなくなりどうしようもない喪失感に襲われているワタナベ
ちょうど今このシーンだ
ぎゅっと胸が締めつけられる
ノドの奥がかぁっと熱くなる
ダメだ
このような公共の場で泣いちゃだめだ
気づけば僕は帰りのバスの中で声を押し殺して泣いていた
嗚咽した息が窓ガラスを白く曇らせて窓の外の森がまるで霧にかかったみたいになる
どうして悲しくなってしまったのだろう?
嗚呼。
あまりにも多くの大切なひとを失ってしまった
いや。
僕は僕の人生を失ってしまったのだ
僕は僕自身を失ってしまった
僕は空っぽなのだ
でも。
空っぽのはずなのになんでこんなにも悲しいのだろう?
不思議だ。
でもきっと。
空っぽに見える僕という器の中に本当は感じる•感じられる心があるからなのだろう。
心は見えないから。
だから空っぽに見えたのだろう。
僕はこのままこれからも生きていけるだろうか?
具がないままで。
嗚呼。
でもいましばらくは泣かせて欲しい。
わかるよね?
きっと。