前回に次いでの原稿を書いてみたい。実は、薩英戦争での

両国の対応がこんなにまで変わるものかと、時の薩摩の対応

と英国の驚きとはこの資料でもよく理解出来る。実はこの事実

を知らないと、私が今回の企画の意図を読み取れないからだ。

アジアでの植民地政策が、英国にとってもフランス・オランダに

とっても急務の対応が必要とする時に、すべて冷静に判断できる

人物が必要とされる。国力は人材からである。日本にはその人材

がいた。そして日本を大きく西洋諸国に知らしめる政変に結び付く

こととなる。そして英国の若き青年、アーネスト・サトーとウィリアム

・ウィリスの登場となるわけで、日本の誇り高き青年達は、やがて

世界の中心に踊り出てゆく。まさに、生麦事件からがこのドラマの

始まりである。映画の構成を10年かかり取り組んできたわけだが、

西郷隆盛一人の力ではなく、さらに彼を魅了せざるを得ない人物達

が彼をして日本の英雄にしてしまったと思う。