little theatre -15ページ目
<< 前のページへ最新 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15

アンダーグラウンド

そろそろ2000年代の映画を紹介してもいいかな、

と、思いつつ、今日も90年代の作品を紹介します。


1996年公開、エミール・クストリッツァ監督の

「アンダーグラウンド」です。

カンヌ映画祭ではパルムドール賞を受賞しました。


舞台はセルビアの首都、ベオグラードの地下。

第二次世界大戦中にドイツ軍に侵略された市民たちは、

地下で武器を作りながら潜伏していました。

大戦後も、戦争終結を知らずに、

武器を作り続けていました。

何故なら主人公である武器商人のマルコが、

戦争の終結を市民に知らせずに、

戦争が続いていると、

何十年にもわたり

彼らを騙し続けていたのです・・・


戦争が舞台背景になっている映画というのは、

往々にして暗いものですが、

明るくシニカルに仕上げています。

劇中、パーティーのシーンが沢山あるのですが、

そのパーティーで演奏しているバンドの曲が

そのままサウンドトラックとして映画全体を

ポップに彩っています。


平和な世の中になったとも知らず、

地下でレジスタンスとして人々が

力強く陽気に生きているなんて、

ありえない設定ですが、

それをも納得させてしまうのは、

やはり監督の力量です。

ブラックな笑いと

パワフルな映像に脱帽です。


天使の見た夢

こう脈略のなく映画を紹介していくのに

抵抗を感じ、何らかのテーマを作っていこうかな、

と、思いつつ、今日も昨日までと何の関わりも無く、

1998年に製作されたフランス映画を紹介します。


エリック・ゾンカ監督の

「天使が見た夢」です。

二人の貧しい女の子のお話です。


ホームレス同然のイザは、

働き始めた縫製工場でマリーと出会い、

マリーのアパートで一緒に暮らし始めます。

そのアパートとは、交通事故で明日をも知れぬ命となり、

病院に収容されている叔母とその娘のアパートに

マリーは留守番として住んでいるのでした。

カメラはそんな彼女達の長くは続かない共同生活を追っていきます。

ねたみ、嫉妬、同情、優越感、劣等感、疎外感、虚無感、

二人のヒロインを通して

色々な負の感情がちくちくと突き刺さります。


ヒロインを演じた

エロディ・ブシェーズとナターシャ・レニエは、

カンヌ映画祭で主演女優賞を受賞しました。

そんな風にフランスでは話題になった作品ですが、

日本ではあまり話題になりませんでした。

時々、何か喪失感を味わったときに、

この映画のことを思い出します。














青いパパイヤの香り

レビューを書くにあたり、

始めて数日ですが、悩みます。

(アメリカが舞台だけど)

ドイツ映画→スコットランド映画→ドイツ映画→

と、来ているので、今日はまた違う国の映画にします。

フランス製のベトナム映画です。


1993年トラン・アン・ユン監督作品

カンヌ映画祭新人監督賞をこの作品で受賞しています。


1950年代初めのサイゴンに住む家族に、

使用人として雇われた少女ムイが

そのおうちで働きながら、

大人になるまでのお話です。


映画の設定で、舞台はベトナム・サイゴンですが、

実際のセットは、パリ郊外に作られたそうです。

そんな予備知識もなく映画を観た私は、

しばらくはベトナムで撮影された映画だと思っていました。

それほどセットはよく出来ています。

(行ったことないんですが、ベトナム)


映画自体は淡々としていますが、

映像の美しさに目を奪われます。

主人公・ムイの目の前では、

奉公先の家庭の問題などが普通に表れてくるのですが、

登場人物たちも饒舌では無いので、

全ての出来事が淡々と進んでいきます。


今日、このレビューを書くにあたり、

この映画のサウンド・トラックを久々に聴いてみたましたが、

サントラもやはりまったりしています。

疲れているときにこういう音はいいものです。













ラン・ローラ・ラン

1998年のドイツ映画です。


真っ赤な髪に空色のTシャツの主人公ローラが、

恋人の為にお金を求めてベルリンの街をひたすら走ります。


恋人への愛が彼女をこうも走らせているのですが、

その彼氏は俺様な男で、

何もあんな男の為に・・・

と、同情してしまいそうになります。

でも、ローラも恋人のためっていうのもあるんだろうけど、

なんとなく引くに引けなくなって、走ってる感もあります。


劇中、実写のローラが疾走しているところに、

ユルいアニメーションでローラが走っているシーンが

いい感じで入ってきます。


無我夢中で走る、ローラの姿に

思わず拳を握り締めてしまいます。

映像のハラハラさせるスピード感に脱帽です。



trainspotting

今日、紹介するのは

ユアン・マクレガーの出世作、

「トレイン・スポッティング」です。


舞台は90年代後半のスコットランド。

ユアン・マクレガー演じるレントンを中心に、

ドラッグ中毒の若者たちの、

自堕落でクレイジーな日々を

軽快なテンポで明るく描いています。

何かとゴージャスな設定のアメリカ映画

(というか、ハリウッド映画)に比べて、

悲壮感の漂いそうな設定ですが、

そういう現実と向き合えるイギリスの真の強さを感じます。

またポップな映像は、ミュージック・クリップのようです。


このサウンド・トラックはバラエティーに富む一枚で、

13ものアーティスト達の名曲が、

映像にもピッタリとマッチしています。


ちなみに舞台となったエディンバラはスコットランドの首都で、

とても美しい街ですが、この映画を見る限り、

その美しさは影を潜めています。

これもドラッグ効果なのかもしれません。






bagdad cafe

さて、最初にどの映画を選ぶかっていうのは、

とても重要です。

何故なら、「私はこういう人間ですよ!」と公言しているようなモノです。

で、好きな映画は星の数程あるわけですが、

最初に選ぶ映画は・・・

「バグダッド・カフェ」


あぁ、無難なところに落ち着きました。

いや、いい映画なんです。

80年代後半の映画です。

舞台はアメリカ。

ハイウェイ沿いにあるモーテル「バグダッド・カフェ」に

大柄の中年ドイツ人女性がやってきたことから始まる、

モーテルの女主人とその家族、

モーテルに長逗留している人たちとの交流が

ドイツ人女性を核として描かれています。

「ロスト・イン・トランスレーション」なシチュエーションで、

ドイツ人女性はほとんど話しませんが、

それがとてもよい効果になっています。


サントラも名盤で、7曲目までは挿入されている曲が普通に流れてきますが、

8曲目からは、映画の場面をナレーターが語りながら

挿入されている各曲が紹介される、という面白い演出です。


メインで流れる「calling you」を、カナダ人歌手、ホリー・コールがカバーしていますが、

やっぱりこのサントラで歌ってるjavetta steele の歌声は必聴です。


はじめまして

このブログがきっかけで

その映画を好きになってくれると嬉しいです


i hope you'll like the film which i write the review here.


<< 前のページへ最新 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15