4人の妻を持つ男についてのお話を読んだ。
↓お話の概要。
あるところに、
四人の妻を持った男がいた。
しかし、この男は四人の妻を
平等に愛してはいなかった。
この男が一番愛していたのは第一夫人。
彼は、この第一夫人が
「暑い」と言ったら扇いであげて、
「寒い」と言えば暖かくしてあげた。
いつでも上等の服を着せてあげ、
食事も美味しいものを食べさせた。
病気になればすぐに
お医者さんを呼んで手当てをさせた。
何不自由の無い生活をさせていた。
男は、第一夫人から
離れようとしなかった。
いつも、いつでも、
第一夫人と暮らしていた。
次に彼が愛していたのは、第二夫人。
第一夫人と同様、
男は美しい第二夫人を是非にと迎え、
自分の近くにおいて可愛がっていた。
次に愛していたのは第三夫人。
この第三夫人は、
いつも一緒にいるわけではなかった。
しかし第三夫人に会った時は、
第三夫人をかわいがる。
美味しい食事をご馳走したり、
上等の服をプレゼントしたり、
困っていれば相談に乗って、
互いに助け合った妻だった。
最後は第四夫人。
実は、第四夫人は
いつも男のそばにいるのだが、
夫の目につかないところに
ひっそりといるので、
男はほとんど気が付かない。
ほんの時たま、
「おまえはそこにいるのか?」と、
気がつく程度だった。
そして男は、またすぐに
第四夫人の事を忘れてしまうのだった。
でもって・・・
男はある時、
遠い遠い国へ旅に出る事になった。
本当はそんな遠いところには行きたくなかった。
なぜって、これまで大勢の人達が
その国に出掛けていったけれど、
誰一人帰ってきた者はいなかったのだ。
男もそこに行けば、
そのままそこで暮らす事になるのだろう。
そして、そこは行きたくなくても
行かなければならない、
昔からそう云うふうに決まっている国だった。
男はまず、第一夫人に頼んだ。
「私と一緒にそこへ行ってくれないか?」と。
しかし、第一夫人は断った。
「私も一緒に行きたいけれど、
あなたが旅立った後は
私はこの地で果てます。
一緒に行く事は出来ません。」
冷たい返事だった。
男は次に第二夫人に頼んだ。
第二夫人も、断った。
「私は行くわけには行きません。
この国に残り
他の男のもとに嫁ぐでしょう。」
次は第三夫人だった。
「私は一緒に行きたいけれど、
どうしても行かれません。
そのかわり、旅立つその間際まで
ついていて、あなたの側にいて
ずっと手を振ってお見送りします。」
最後に男は、第四夫人に頼んだ。
すると、第四夫人は
「一緒に参りましょう。
私はあなたの行くところは、
どんなに遠い場所でも一緒にいて、
離れる事など決してありません。」
と答えたんだって。
そんなわけで、
男は第4の妻と旅立ったらしい。
で・・・・
男が旅する遠い国とは、死後の世界。
四人の妻とは、
第一夫人は 肉体。
第二夫人は 財産。
第三夫人は 家族。
第四夫人は 心。
な~るほどねぇ。
オモシロイ。
確かに第一から第三婦人は
ついてきちゃくれないわ。
死ぬ時は一人。
体もお金も他人も、
誰も一緒になんて来てくれない。
自分が物質的に持っているもの
全てをそぎ落とした時に残るもの、
それがいったい何なのか、
考えさせられました。