2005年5月に書いてたもの。

派手な電通OLしてて、ヒルズ族とかIT社長とパーティーとか外銀合コンとか、そんなんばっかりだけど全然満たされなかった頃の記事。

 

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幸せな小金持ちは知っていても、
幸せな大金持ちには、
未だ出会ったことが無い。
 
ある日まさに「大金持ち」という言葉が
ぴったりはまる、A氏に会った。
 
A氏は青年実業家。
その日は他にも
お金持ちな方がいっぱい。
なんか見たことある気がするんだよなぁ、
って顔がちらほら。
 
私や友達そっちのけで
内輪の話をする男性陣。
あの子は誰々が喰ったとか、
この子は誰々が喰ったとか、
そんな話がてんこ盛り。
 
金のあるところにオンナあり。
しっかし下らないなぁ。
やった、やらないとか
子供じゃないんだし
どうでもいいじゃんよ。
頭の中は仕事と金とセックスだけ。
 
A氏に至っては
フツーにみんながいる前で
「違う部屋でHしようよ」と誘ってくる。

まぁ、それだけ堂々と言ってくれれば
こっちも笑って断りやすいからいいんだけど。
 
後からA氏と2人だけで
話す時間がしばらくあった。
 
彼はかなりの寂しがり屋で
一人だと眠れないらしい。
電話を20人くらい掛けまくってでも、
必ず誰か女の子に
隣にいてもらって寝るんだって。


ぶっちゃけHする、しないなんて
どうだってよくて
とにかく隣に居て欲しいんだ、
と言っていた。
 
彼女がいればその子とずっといる方が
俺は全然楽しいんだけど
長いこといないんだ。
Hする相手はいくらでもいるんだけどね。


家でよくパーティーをするけれど、
本当は大勢でいるのがすごく苦手で、
特に男がいっぱいいるのはすごいダメで
今日もすごく疲れたんだ。

 

だって。

 

こういう人、多い気がする。


よくありがちな、一見派手で
実は孤独な経営者像そのまんま。
ま~、弱み見せ作戦の可能性もあるけど。
 
なんかちょっと可哀想になって

早くちゃんと付き合える
好きな子が出来たらいいね〜、

と言ったら逆に痛いツボを突いたらしく

そんな悲しいこと言うなよ、

と言われた。
 
今はなんでも思い通りになって
楽しくってしょうがないでしょ!?

 

いや、そうでもないよ、
結構色々あるんだよ、大変なんだよ・・・

とネガティブトーン。
 
もともと集団行動が苦手で
既存の会社に入ったら
やっていけないと思ったし、
医者とか弁護士になりたかったけど
頭も良くないからそれで会社を始めた、

のだそうだ。


と言っても、頭良くなきゃ
ここまで成功しないだろうけど。

 

俺は金は掃いて捨てるほど持ってる

と豪語してて、
それは確かにホントだろう。
 
だけど2人で喋ってた時の彼は
どうしてもすごく寂しく見えた。
 
幸せの定義なんて人それぞれだ。

やりたい仕事をやって成功して、
ふんだんにお金があって、
東京のど真ん中、
超ゴージャスな場所に住み
車はフェラーリ以下8台所有
女の子はいくらでもついてくる。
 
それを「幸せ」とする人もいるだろう。
いっぱいいっぱいいるだろう。
 
でもね・・・
 
彼を「不幸」とは思わない。
かといって「幸せそう」とも思えなかった。

 

これまで会ってきたところでは
大金持ちは意外と孤独で不安定な人が
多かったように思う。
 
お金以外の部分で自分を見て欲しいと
そう願いながらも

何も持たない、まんまの自分だと
誰も振り向いてくれないと不安だから
結局は持ってるものを
ひけらかさずにはいられない。
 
結果いっぱい人が寄ってくるけれど
どうせ俺の金が目当てなんだろ、みたいな。
 
この過程の繰り返しを、私は
孤独スパイラルと呼んでいる。
 
もちろんお金を稼げる力があるってのは
才能の一つで誇っていいことだろうけど
能力があることを知らしめるのと、
お金を持っていることをひけらかすのは
ちょっと別の事のように思う。
 
長いこと親しかった男の子が
「僕はアメリカ帰りの青年実業家」
 
というのが、
冗談にしろ私はひどく気に入らなかった。
 
馬っ鹿じゃないの!?
あなたのウリは
そんなとこじゃないじゃん
中身でいいとこいっぱいあるのに
そういう事言うと、
肩書きに寄ってくる人ばっかになっちゃうよ!
私そ~ゆ~の大っ嫌い。
 
っていつも怒ってて、
それが面白いのか
彼はしょっちゅうその言葉を口にした。
 
でも、ホントそう思うんだよね~。
 
お金目当てじゃない人と付き合いたいなら
持ってることを知られちゃダメだよ、
と思うけど
皆さんそれはなかなか出来ないみたい。
 
A氏もなんだかんだ言って
お金の話が大半を占める。
お家の家賃、持ってる車、
自分の会社の規模・・・
 
こっちが何一つ質問してないのに
出てくる、出てくる。
聞いてませんよ~~。
 
この人はこれからもこうやって
ゴージャスなマンションに住み、
女の子をとっかえひっかえしながら
更に事業を拡大していくんだろうなぁ。
 
お前なんかいいね、落ち着く。
ほんとに好きになっちゃうかも、
なったらどうする?
 
みたいな事を言ってたが
明日になったら同じ言葉を
違う子にささやくのだろう。
 
話しつつ、
段々眠くなってきたようなので
彼一人残して退散。
友達の元へ戻る。
今日は私が寝かしつける役目だったか。
 
明後日から海外に出張だから、
明日一緒にドライブをしよう、
って言ってたけど
当然のように、次の日電話は来なかった。
 
私も当然のように、
準備なんてせずスッピンで家にいた。
 
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この文章読んだよって、翌日すぐに
A氏本人から連絡がありました。
どういう経緯か回り回って、
このブログの存在を知ったみたい。
 
相当、ビックリです。
いや~、誰が読んでるか分からないから怖いね。
私のブログ、意外と有名らしい笑
 
私は別に悪口を書いたつもりは
全然無くって、
あの時受け取ったことを
率直に書いたらこうなった
ってだけなので
記事自体を消すつもりはありません。


彼に対してどうこう、というよりは
それを通じて考えた
人とお金について書きたかったので。

 

もしかしたら、完全私の思い違いで
彼は本当は大事な誰かと、
ラブラブなハッピーライフを
送っているかもしれない。
初対面の私にそんな話はしなかったって
ただそれだけかもしれない。
 
そうじゃなかったとしても、
別に孤独とも思ってないかもだし
今の生活に満足で、
幸せって思ってるのかもしれない。
 
それは分かりません。
 
これは完全に私の主観で書いてるものだから。
 
お金持ちを否定する気はありません。
もちろん、お金がある事で
スムーズに行くことはいっぱい。
私はお金、大好きです。
 
でも、お金はどれだけ集まっても
所詮紙切れや数字に過ぎない。
燃やせば灰になっちゃって終了。
 
私はお金そのものよりも、
それだけのお金を稼ぎ出した
その人自身
そっちの方に触れてみたい
そう思います。

 

そのパワーの源はどんなことで、
どんなビジョンを持ってて、
どんな風に成功してきたのか・・・
 
そういうのに、
ものすごい興味あります。

 

ものすごい興味あるけど、
みんなお金の話ばっかり。


それは即ち私自身の見られ方
そのものなのだろうけど。
 
ゼロから何かを始めて成功した人は、
きっと今もっているお金が
全部燃えて灰になったとしても
また新しく何かを見つけ出し、
立ち上がるんだろう、
そう思います。
 
だから、彼ともたまには会って
そんな話を聞いてみたいな、と
思ったけれど、
これ読んじゃったら
最早それは有り得ないだろうな・・・
残念無念。  2005-05-10