子書籍を使って収入を上げようと思うなら、電子書籍1冊あたりの販売部数を増やそうとしてはいけません

どういうことかといいますと、1冊の電子書籍で、5000部とか、1万部売ろうと考えてはダメだということです。

それは、なぜか……。


1冊の書籍をたくさんの人に読んでもらおうと考えると、どうしても大勢の人に共通する話題、材料を扱いたくなります。

内容にしても、具体的なものより、抽象度の高い方が、多くの人の目にとまりやすくなります。

たとえば、実用書で考えた場合、『不動産投資の方法』という設定にすると、すでに不動産投資をやると決めている人、あるいはかなり高い確率で、不動産投資を始める予定の人にしか読んでもらえません。

一方で、『サラリーマンで毎月10万円の副収入をつくる』という設定にすると、投資だったら、不動産のほかに、株もあればFXもある。
投資以外にも、転売、アフィリエイトのようなネット系ビジネスもあれば、特技をいかした商品制作、コンサルティングなどもできます。
ネット以外でも、仕事の後、または週末に労働系のアルバイトをすることも可能です。


のように、設定を広げる、あるいは抽象度を上げることで、読者ターゲットは広がります。
販売部数も増加します。

しかし、読者ターゲットを広げるということは、逆をいえば、あなたの顧客にならない人も多く含まれてしまう、ということになります。

あなたが不動産投資の専門家だとして、『サラリーマンで毎月10万円の副収入をつくる』という内容の本を出版して、仮に1万部売れたとしても、ほとんどの人が不動産投資以外の方法を試す道を選んでしまったら、あなたの収入アップにはつながりません。

しかも、その1万人の読者に、わざわざ別の選択肢を教え、他の専門家のもとへ送ってしまうことになります。


一方で、『不動産投資の方法』という内容の本を出して、300部しか売れなかったとしても、その300人は少なからず不動産投資に興味があり、情報を探している人たちです。

もともと興味があり、情報を探している人たちに、自分の情報もぜひ聞いてみて!とアプローチするのは、難しいことではないでしょう。

そういった人に対して、丁寧なフォローをしたほうが、あなたの商品・サービスを購入してくれる可能性は高くなり、結果的にあなたの収入が上がります。


このように、1冊の本が何冊売れたかというのと、あなたの収入が増えるかどうかは、イコールではありません

なので、自分の書籍が思うように売れなかったとしても、卑下することはありません。


かし、無名の人が専門の本を出しても、気づいてもらえない、あるいは購入してもらえない、というリスクがありますので、知名度アップやブランディング対策も必要になります。

このあたりは、バランスが鍵になります。

結論としては、1冊の書籍にすべてを求めないことです。

この書籍は自分の名前を広め、信頼を売るものなのか。
それとも、質のいい見込客を集めるものなのか。

1冊ごとの目的がはっきりとしていれば、結果に左右されることがなくなります。

電子書籍は数を出した方が、圧倒的に有利です。
目的ごとにセグメント化して、確実なリターンを狙っていきましょう。