こんばんはぁ、門倉です。今宵はマジメに経済の話をいたします。
有給休暇の取得率の国際比較(その1)(門倉貴史)
昔から日本人は「働きバチ」であると諸外国の人たちから揶揄されてきたが、実際のところはどうなのだろうか。オンライン旅行会社の『エクスペディア』が、世界24カ国のビジネスパーソンを対象に、有給休暇の取得についてアンケート調査を実施したので、今回はその結果を検討することにしよう。
2013年の有給休暇取得率(有休取得日数を支給日数で割った数値)がトップだったのは、ブラジル・フランス・香港の3カ国・地域で、いずれも100%を記録した。
「働きバチ」と言われる日本人の感覚からすると「いくらなんでもKYすぎ(空気が読めなさすぎ)なんじゃないか?」と思ってしまうが、これらの国のビジネスパーソンは当然のこととして、会社から支給された有給休暇を年内に全て消化しているのだ。
まず、中南米のブラジルは、有給休暇の支給日数も世界トップクラスで、なんと年間30日も支給される。
社会民主主義的な傾向が強いと言われるブラジルの「労働法」は、労働者の保護の徹底をうたっており、有給休暇制度も労働者側に有利な規定となっている。
ブラジルの有給休暇は、原則として一括で与えなければならないことと決められている。つまり、ブラジルの企業で働く労働者は1年のうち1ヶ月間はまるまる休めるということだ。もちろん、休暇を分割して取得させている企業もあるが、「労働法」は分割取得を認めていないので、労働裁判となった場合には企業側が不利になる。
その2に続く