こんばんはぁ、門倉と申します。 久しぶりの読書記録です。
けふ紹介するのは、哲学者梅原猛さんの著作『隠された十字架~法隆寺論~』(新潮社)でございます。
1972年刊行なので、けっこう古いのですが、法隆寺の建造について、とてつもなく斬新で怖い「仮説」が展開されています「仮説」なのですが、「仮説」を支持するたくさんの状況証拠が挙げられていて説得力は抜群です。
その「仮説」とは・・・
長男の山背大兄王らを蘇我氏に殺害された聖徳太子は、祟り(たたり)をなす怨霊となってしまいました。そして、(670年の焼失後に再建された)法隆寺は聖徳太子一族の怨霊を封じ込める目的で造られたというものです。
なお、正史の『日本書記』では山背大兄王一家は蘇我入鹿によって殺害されたということになっていますが、梅原猛さんによると、中大兄皇子や藤原鎌足ら蘇我入鹿を殺害したグループが実は山背大兄王一家殺害の黒幕でもあったということです。
この「仮説」が真実ならば、法隆寺は、怨霊を鎮めるためのお寺ということで、めっちゃ怖いイメージになりますわ
梅原猛さんの「仮説」によると、藤原鎌足の次男藤原不比等が鎮魂目的の法隆寺の再建を主導したみたいです。
BRICs経済研究所 代表 門倉貴史