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どの国がタックス・ヘイブンに属するかについては、明確な定義があるわけではなく、各国の税務当局などによって独自に判断されます。世界的に有名なタックス・ヘイブンとしては、たとえば、カリブ海のケイマン諸島やバハマ、バミューダ諸島などが挙げられるでしょう。
タックス・ヘイブンは、世界各国の富裕層や企業が税金対策として活用しています。また、タックス・ヘイブンにある金融機関においては口座の匿名性が確保されるので、麻薬取引や武器取引といった犯罪資金・テロ資金の隠匿先やマネーロンダリング(資金洗浄)にも利用されています。さらには、脱税マネーもタックス・ヘイブンへと向かっていきます。
では、どれぐらいのお金がタックス・ヘイブンに流れ込んでいるのでしょうか。
OECD(経済協力開発機構)の推計によると、毎年5~7兆ドルものお金がタックス・ヘイブンに流入しているということです。
現在の為替レートである1ドル=80円で換算すると400~560兆円となり、日本の経済規模(約500兆円)に匹敵するお金がタックス・ヘイブンに集まっていることになります。
この中には、脱税などの非合法なマネーが3400億ドル(約27.2兆円)程度含まれているとみられます(門倉の推計)。
巨額の財政赤字や政府債務残高を抱える日本では、将来の大幅な増税が不可避とされていますが、無税あるいは低い税率で世界中のマネーを飲み込むタックス・ヘイブンの存在が、(タックス・ヘイブンに国内資金が流出することを通じて)、増税による財政再建というシナリオを大きく狂わせることになるかもしれません。
BRICs経済研究所 代表 門倉貴史