夜の街 こんばんは、門倉と申します。



 先日こちらのブログにて、シェイクスピアの『ハムレット』を題材にした『クローディアスの日記』(志賀直哉著)を紹介させていただきましたが、『ハムレット』はチョー名作なので、他にも『ハムレット』を題材にした文学作品がたくさん存在します。



そこで本日は、『ハムレット』を題材にした日本の代表的な文学作品として、もうひとつ太宰治1909年~1948年)の『新ハムレット』(1941年発表)を紹介させていただきますっ!

 


 『クローディアスの日記』は原作をまったく新しい解釈によって再構成していますが、『新ハムレット』のほうは、原作のあらすじをかなり忠実に再現しています。


『新ハムレット』が原作と異なるのは、誰もが知っている古典のストーリーを借りながらも、ハムレットを中心とした登場人物たちの心の内面を深く掘り下げているという点ですひらめき電球

太宰治は古典の『ハムレット』に現代人の心理、(ていうかあ、自分の気持ちシラー)を投影しているのです。


ですから、『新ハムレット』を読み始めると、古い時代の話であることを、つい忘れて現代小説を読んでいるような感覚にとらわれます。

 

 主要な登場人物に自分自身(太宰治)の繊細な心理を反映させた結果、『新ハムレット』 には典型的な悪人は登場しません。あのクローディアスでさえもどこにでもいるようなスノッブ、偽善者として描かれています。

 

 すべての登場人物が、弱い立場の同情すべき人間として描かれているので、誰の立場で読んでも、物語の悲劇性を強く感じてしまいますカゼ










 おわりだよシラー



BRICs経済研究所 代表 門倉貴史