拓人が朝早く家に押しかけてきて、ずっともごもご話していたと思ったら、どうやら金を借りに来たらしい。昔から付き合いのある家柄だし、断るわけにもいかない。 


十時頃には主婦の和子さんまで訪ねてきて、こちらもお金を貸してほしいと言う。一体どういうことだろう、ご主人の高橋さんはなぜ出てこないのか。 


仕方なく二人とも了承したけれど、家の財布を握っている妻の許可がないとお金を下ろせない。 


よく考えてみたら、あの時お酒に酔っ払って、うちに余裕の貯金があることをポロッと漏らしてしまったのが原因だった。