iDeCoは「節税口座」ではなく「出口設計型制度」
NISAが「自由に使える投資口座」なら、
iDeCoは**「老後専用の税制最適化装置」**です。
多くの人は
「掛金が控除される」「運用益が非課税」だけに注目しますが、
本当に差が出るのは**出口(受取時)**です。
今回は、iDeCoのメリット・デメリットを
入口から出口まで実務目線で整理します。
iDeCoの基本的な税制メリット(3つ)
① 掛金が全額所得控除
iDeCo最大の武器はこれです。
毎月拠出した掛金は全額が所得控除になります。
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所得税が下がる
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住民税も下がる
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掛金が多いほど節税効果が大きい
節税効果は次の式でイメージできます。
節税額 = 掛金 ×(所得税率+住民税10%)
例えば所得税20%の人なら、
30%分が即効で戻る感覚になります。
② 運用益が非課税
通常、投資信託の利益には
20.315%の税金がかかります。
iDeCoでは、
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配当
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売却益
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リバランス
すべて運用中は非課税です。
長期・複利と相性が良く、
時間を味方にできる制度です。
③ 受取時も税制優遇
iDeCoは出口でも優遇されます。
■ 一時金で受け取る場合
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課税区分:退職所得
-
控除:退職所得控除
計算式は、
(受取額 − 退職所得控除)× 1/2
長期加入なら、
かなりの金額まで非課税になります。
■ 年金で受け取る場合
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課税区分:雑所得(公的年金等)
-
控除:公的年金等控除
厚生年金・企業年金と合算課税されます。
iDeCoの重要な税制デメリット
退職金との「年数調整」
iDeCoの一時金は、
会社の退職金と退職所得控除枠を共有します。
整理すると、
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同じ年 → 合算
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5年以内 → 控除調整あり
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6年以上空ける → 別枠扱い可能
つまり王道は、
退職金 → 6年以上 → iDeCo一時金
ここを知らないと、せっかくの控除を無駄にします。
資産形成としてのメリット
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低コスト商品が多い
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自分で商品選択できる
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少額(月5,000円〜)で可能
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高額(月75,000円)も可能(自営業・無職想定、2026年12月〜)
NISAが満額になった後の
ラストスパート口座としても優秀です。
万が一保障のメリット
iDeCoは投資口座でありながら年金制度です。
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障害状態:障害給付金
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死亡時:遺族に死亡一時金
単なる証券口座ではありません。(ただし75歳まで)
さて、ここから先はFPも知らないメリットとデメリットです。
意外と知られていないメリット
加入年数が控除に効く
少額でも、
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加入年数が
-
退職所得控除の年数に加算
されます。
70歳に近い人でも、
元本確保型で年数稼ぎが可能です。
意外と知られていない合わせ技
無職 × iDeCo
2026年12月以降、
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条件付きで70歳未満まで加入可能
-
無職でも加入可能
-
無職なら最大 75,000円/月(年90万円控除)
例えば、
公的年金収入258万円
年90万円積立
とすると、
課税所得をほぼゼロ化する設計も可能です。
つまり、
年金 × iDeCo = 税率コントロール装置
になります。
相続対策としてのiDeCo
死亡一時金の受取人は通常は配偶者ですが、
子を受取人に指定することも可能です。
その場合、
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法定相続人1人あたり
-
500万円まで相続税非課税枠
が使えます。(ただし75歳まで)
iDeCoは生前対策+相続対策の両面で活用できます。
意外と見落とされるデメリット
① 一時金でも住民税はかかる
退職所得には、
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所得税
-
住民税
の両方がかかります。(CharGPTも見落としました)
所得税だけ見て判断するとズレます。
年金でも雑所得として課税対象となります。
さらに国民健康保険税にも影響します。
② 利益が大きすぎると実効税率が跳ねる
控除を超えると、
-
所得税
-
住民税
が課税され、
実質20%超になることもあります。
その場合は、
一時金で受取り → 特定口座で同様の商品を再購入
することで、(かなり増えすぎた場合のレアケースですが)
その後の課税を通常の20.315%水準に戻すという考え方もあります。
「全部一時金が正解」とは限りません。
iDeCoで一番大事な考え方
最後にこれだけ。
iDeCoは入口より出口で差がつく制度。
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一時金か年金か
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退職金との間隔
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年金所得との合算
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社会保険料への影響
ここまで設計して、
初めて**「使えるiDeCo」**になります。
まとめ
iDeCoは、
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節税
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運用
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年金
-
税率調整
を同時にこなす珍しい制度です。
単なる「積立」ではなく、
人生後半の税金設計ツール
として使うと、本当の価値が出ます。
つまり設計するかしないかあなた次第なのです。