担山という禅僧が、友人の僧と一緒に豪雨のあとでひどくぬかるんだ田舎道を歩いていた。村の近くまで来ると、道を渡ろうしている若い娘に出会ったが、水たまりが深くて着物が汚れそうだった。担山はすぐに娘を抱き上げて水たまりを渡してやった。
そのあと二人の僧は黙々と歩き続けた。5時間ほどして、その夜の宿になる寺が見えたとき、友人がとうとう黙っていられなくなって口を切った。「あなたはどうしてあの娘を抱き上げて、道を渡してやったのか」彼はそう言った「僧というものは、ああいうことをすべきではないと思うが」
「私はもうとうに娘を下したのに」と担山は答えた。「きみはまだ、抱いていたのかね?」