ーー見つけられた日記ーー

××10年4月23日
「"この世界はある人によって作られた小さな箱のようなものだ"

僕じゃない誰か他の人はこの事実を知っているのだろうか。
この世界は作られたものであることを。
そして、この世界の創造主もまた作られた者であることを。


昨晩、その創造主の創造主が僕の夢に出てきた。
相変わらず表情の読めないやつだったし、相変わらず世間話だけして満足して消えていった。

こんなこと最初は夢と思って気にしていなかったけれど、さすがに夢に出てくるのが4回を超えたあたりで受け入れることにした。」

ページをめくっていく

××45年8月4日
「久しぶりに夢に出てきたあいつは、この日記のことを気にしていた。
どうも、悪いやつに見つけられてしまった時、世界が混乱してしまうことを心配しているようだ。

俺は言ってやった。
"大丈夫だ、この日記は普通のやつには読めないようにしておくから"
俺にはそれができるから。

これが読めるやつが出てきた時この世界はどうなっているだろうか、楽しみだよ。」

最後のページにきた

×+64年7月16日
「俺はやっと"使命"を果たせるようだ。
やっと死ねるよ。長い人生だった。
俺と同じ"使命"をもつやつのために俺はこれを残すことにした。
何百年何億年後になるかわからないがこれを読めるやつは必ず現れる。
おまえに伝えよう。

この"使命"を自覚した時、その時はすでに手遅れだ。あがくな。

その"使命"を受け入れることができれば俺の様に×××年も生きずに済むさ。

p.s.次のこの"使命"を持つものがこの日記を見つけられるようにあいつに頼んでおく。あいつは素直に教えるわけないが…この日記にたどり着くことを願うよ。」

日記を閉じる

僕はどうすればいいのか。
僕には彼が言う「この"使命"」を持っているらしい。だって、この日記を読めるのだから。

朝起きたら枕元に置いてあった本。
開いたら日記のようだったから読み進めてみたらとんでもない内容だった。
「ほんとどうしたらいいってのさ…」

実際、夢で誰かに何かを語られたことがあったような気がしてきた。すっかり忘れていたが、それがそうなのかもしれない。
きっと、僕が夢のことを忘れてしまったから、その創造主の創造主っていう人が枕元にこれを置いたんだろう。

"使命"…。
まさか、"使命"って、あの異常者のなかの数人が持っているものではないか?
それを持つ者には近寄ってはならないと言われている。

僕が異常者ってこと??
僕はなんの魔法も使えないし、両親とも人間だ。
ありえない。

ありえないはずなんだ。


異常者が言う創造主とかいう奴が
僕を選んだのでなければ。


聞いたことがある。
創造主が全ての住民から一人選んで"使命"を与えることがある、と。
それは何百年に一度のことで、
人間も異常者も関係なく選ばれる。

この本に書いてある"使命"がそれなのか…?そうだ、創造主とも書いてあったよな…。
まさか、最後に×××年生きたってまさか…何百年に一度選ばれる…そんな…。


僕は創造主に選ばれた?