川名壮志著『僕とぼく 妹の命が奪われた「あの日」から』。


筆者は、毎日新聞社に入社し、初任地の長崎県佐世保支局で、小六女児同級生殺害事件に遭遇。

被害者の父親は、直属の上司である同支局長であった。


20年前の6月1日。

佐世保市の小学校で、御手洗怜美さんが同級生にカッターナイフで殺害される事件がおこりました。

私は当時の、新聞記者だったお父さまの会見がずっと心に残っていました。

事件から20年がたったとニュースで見て、当時の怜美さんのご家族がどんな思いをされていたのか?とこの本を手に取りました。


御手洗家は、両親と長男・次男・末っ子の長女怜美さんの5人家族。

お母さんは病気で、子供たちが高3・小6・小3の時に亡くなります。

その半年後、長男は県外の大学へ進学し、次男と怜美さんは父の転勤で佐世保へ引っ越すのです。

そして後に事件がおきてしまいます。


この本は、長男の【僕】と次男の【ぼく】が交互に語る形式となっています。


一番驚いたこと。

こういった事件が起きると、周囲にいた生徒たちへスクールカウンセラーがつくのに、被害者家族の次男にはそれがなかったこと。

事件当日、授業が自習になり、校長室に呼ばれて、Yahoo!ニュースのコピーを読むように渡されたこと。

何もかもにとても驚きました。

先生達をはじめとする大人達、みんなどうしたら良いのか分からなかったにせよ、これが後に次男を苦しめることになります。


この兄弟はそれぞれに苦しむし、とっても辛い展開なんだけど、どんなふうに日々を過ごしたとて、怜美さんは二度ともとに戻らない。

一生加害者を許すことはできないし、心の傷も抱えて生きていかなければならない。

読んでいてとっても悲しくなりました。

そして親としてのお父様の辛さ、無念さははかりしれないです。