白石一文著『代替伴侶』。
近未来の設定。
不妊で悩んでいた隼人とゆとりの夫婦。
しかし、別の男性との子供を妊娠したゆとりは、隼人の元を去る。
ショックを受けた隼人は、人権救済委員会に申請し、ゆとりの記憶を複写された代替伴侶と生活を共にする。
ところが、今度は隼人が他の女性との間に子供ができて、代替のゆとりの元を去る事に。
隼人に去られた代替のゆとりは、隼人の代替を申請し、代替夫婦としての生活が始まる。
近未来のストーリーなんだけど、意外とスッとその世界に引き込まれました。
子供が欲しいあまりにすれ違い壊れてしまったゆとりと隼人。
だけど、離れてみてはじめて気付く想い。
結末はまさかの展開で、しばらくして事実を知ったゆとりはすごく後悔して悲しむよね。
白石さんは何を伝えたかったんだろう、とだいぶ考え込みました。
生身の人間の夫婦は、よほどの事をのぞき、片方が遺されてしまう。
作中にも「遺される方がつらい」と書かれてました。
仲の良い夫婦ならきっとそう。
夫婦のあり方について考え、なんだかとっても寂しい気持ちが残りました。
白石一文さん、たまに読みたくなる作家さん。
本書、久しぶりに面白かったです。