ストップ高は5日連続と続き、株価は一ヶ月前の1080円から9060円まで上昇した。
ところが、12月11日を境目に事態は一転した。
売りが集中し、連日のストップ安になっている。
なにが起こっていたのか。
そもそも、ミクシィの株価急上昇は異常であった。
業績が悪いにも関わらず、株価は上がっていたのだ。
かつての収益柱だったSNS「ミクシィ」の広告収入は、減少の一途を辿っていた。
2013年10月に発表していた見通しでは、2014年3月期の売上高は80億円(前期比36.7%減)、営業赤字は16億円(前期比41億円の悪化)になる見通しだった。
業績以外でも、「リストラが行われている」と言う芳しくない情報も報じられていた。
それでも株価が上がっていたのは、ミクシィが10月10日に提供を開始したスマートフォン向けゲーム「モンスターストライク(モンスト)」がヒットしていたからだ。
モンストとは、ミクシィと元カプコンの岡本吉起氏がタッグを組んで制作したアクションRPGゲームアプリである。
自分のモンスターを指で引っ張り弾くことで、敵のモンスターに当ててダメージを与える。
壁やモンスターへの跳ね返りやぶつかりを駆使しながら、簡単なプレイでクエストを進めることが出来るという内容だ。
さらに、Bluetoothを使うことで最大4人までの同時プレイを可能とし、スマホを持ち寄ることで、近くの友人とリアルタイムで協力しながらプレイすることができるゲームとなっている。
また、11月5日に開始したアンドロイド版の事前登録は、12月6日に2万件を超え、 12月中旬に予定している正式リリース後のヒットを予感させていた。
そんな好気配から、ミクシィの株価は高騰した。
12月4日から5日連続ストップ高。年初来高値の更新は10日連続を記録した。
一方で、ガンホーバブルの再来と言う声も囁かれていた。
「今年、一番の目玉銘柄は?」と問われれば、多くの投資家がガンホーと答えるだろう。
2012年にリリースしたスマートフォン向けゲーム『パズル&ドラゴン』(通称パズドラ)が大ヒット。
2012年1-12月の売上高が前年の2.7倍の258億円、営業利益は7.9倍の93億円まで拡大。
2013年2月に発表された1月の単体売上高が、前年同月対比1022%増の85億円と発表され世間をアッといわせた。
(※2013年1月は1日当り2億7000万円余りの売上高を達成したことになる)
2013年3月、株価が高騰し過ぎた為、株式分割を実施。
2013年4月、「パズドラ1,200万ダウンロード達成!」を発表。
この急成長が投資家に大きな期待を抱かせた。
株価は2013年1月につけた79,600円から僅か4ヶ月で155万円と20倍近くも急騰した。
2013年5月15日、株価が加熱していると大口投資家に判断され売りが集中。株価は大暴落した。
この一連の流れを、ガンホーバブルと呼ばれている。
こうした背景から、「ミクシィもバブルでは?」と囁かれていた。
事態が一変したのは2013年12月11日。
GS(ゴールドマンサックス)のレポートがきっかけだ。
同レポートでは、「特定アプリへの業績期待は過剰」と指摘。
同時に、ミクシィの投資判断を「中立」から「売り」へと引き下げ、目標株価を1200円に設定した。
これを発端に、売りが殺到。
株価は9060円から6060円まで急落。
2日連続のストップ安となった。
以上が、一連の流れである。
GSがレポートを提出した同日、三菱UFJモルガン・スタンレー証券も投資判断を変更した。
内容はGSと異なり、3段階中最下位の「アンダーパフォーム」から2位の「ニュートラル」に変更。目標株価は従来の930円から、8900円まで大幅に引き上げている。
個人的な意見ではあるが、私はGSの判断が正しいと思っている。
ガンホーのケースを振り返ると、ガンホーの相場が始まったのは、2012年の8月9日の上方修正発表後であった。この時点で、パズドラはiPhoneのトップセールスランキングで1位であったのにも関わらず、当時株価は2000円程度。
一方のモンストは、先行きが不透明な状況だ。
投資である以上、今は厳しい目線で見るべきである。
勿論、モンストがAndroid版を成功させ、YYCの業績も上がれば、ある程度の神風が吹くかも知れない。







