こんにちは。

最近暑くなってきましたね。

朝晩は冷える日もあるので寒暖差に体が慣れるまで体調崩さないようお気を付けください。

 

さて、今年も北中山小学校の学校歯科検診が始まりました。

去年はコロナの影響で時期がずれこみましたが今年は例年通り春に行うことが出来ました。

学校関係者の方々、生徒の皆さん、感染対策にご協力頂きありがとうございました。

 

学校歯科検診については去年の検診後に書いたブログに詳しく載せてありますのでご参考下さい。

北中山小学校の学校歯科検診 | ブランチ仙台歯科のブログ (ameblo.jp)

 

お子さんのお口の中の傾向として、たくさん虫歯があるお子さんは減りつつあるように感じます。

一方で、歯並びになんらかの問題がある(歯列不正がある)お子さんは多くなっていると言われています。

 

学校歯科検診でも「歯並び」という検診項目があります。

小学生の間は生え変わりの真っただ中ですので、去年は「歯並び」で「要指導」や「要観察」にチェックが入っていても今年はその問題が解消されるお子さんいらっしゃいます。勿論その逆も然り、今まで特にチェックが入っていなくても今年は「要観察」などにチェックが入ることもあります。

 

では問題のある歯並び(歯列不正)とはどのようなものがあるでしょうか?

代表的なものを挙げます。

①歯が重なり合っている(叢生)

叢生になる原因はいくつかあります。

・乳歯列の期間に歯と歯の間に隙間がない歯並びだった場合、大人の歯に生え変わるにつれてスペースが足りず歯が重なり合ってしまう。

・顎の骨の大きさに対して歯が大きい。

・乳歯に大きな虫歯があり、生え変わりよりも早い段階で歯を抜かざるを得なくなった。

などです。

叢生の程度にも幅があり、数本だけ少し重なり合っている軽度なものもあれば、何本も歯が重なりかなりガチャガチャしてしまう重度なものもあります。

重度なものになればなるほど歯磨きがしづらく、お口の中の清潔度を保つのが難しくなります。それによって歯周病や虫歯になるリスクが高くなります。

 

②上下の前歯が閉じあわず開いてしまっている(開咬)

開咬になる原因はいくつかあります。

・舌を出す癖がある。舌で前歯の裏側を触ってしまう癖がある。

・鼻炎気味で口呼吸をする。

などです。

開咬が重度になると唇を閉じるのも難しくなり、常にお口の中が乾きやすくなることで歯ぐきの炎症を引き起こしやすくなります。

また、上下の歯が噛みあう場所が奥歯に限定されてしまうので、食事の際に食べ物を噛んだりすり潰したり咬合力が奥歯だけにかかりやすくなります。将来、常に負担のかかる奥歯が、揺れやすくなったり、割れたりする可能性もあります。

まずは原因となっている癖を取り除くことが大事になります。

 

③受け口(反対咬合)

反対咬合になる原因はいくつかあります。

・骨格的に下顎の骨が大きい、もしくは上顎の骨が小さい。

・上唇を噛む癖がある。

などです。

特に骨格的に骨の大きさが原因の場合は、ご家族の方に似たような歯並びの方がいらっしゃることもあります。

下顎が大きくしゃくれてしまっている場合、横からのお顔の見た目にかなり現れてしまい、人前でマスクを外せないというお子さんもいらっしゃいました。

また、骨格的な原因がない場合、上顎の成長を下の前歯が妨げてしまうこともあります。

 

④隙間がある(空隙歯列)

空隙歯列になる原因はいくつかあります。

・歯の大きさに対して、顎の骨が大きい。

・足りない歯がある。

乳歯の歯並びの間は隙間がある空隙歯列が望ましいです。大人の歯の方が乳歯よりも大きいため、隙間がないと大人の歯が生えるスペースが足りずに叢生という状態になりやすくなってしまうからです。

一方、大人の歯に生え変わってからの空隙歯列は軽度なものであればそこまで大きな問題がないことも多いです。

ただ大きな隙間がある重度な場合は、本来そこに生えるはずだった歯が元々足りていないのか、もしくは顎の骨の中に埋まってしまい生えてこなくなっているのか確認する必要があります。

隙間が大きければ、その隙間を埋めるようにして両隣の歯が倒れてしまい上下でうまく嚙み合わなくなることもあります。

 

 

上記の他にも色々な歯列不正はありますがいずれの治療法も矯正治療と呼ばれるものを行います。

残念ながら矯正治療の殆どは保険が効かない治療になります。

矯正治療と聞くと、歯にボタンとワイヤーを付けるもの、100万円くらいかかるもの、というイメージがあるのではないでしょうか。

この治療は成人の矯正によく行い、見た目を美しくする目的で治療することが多いです。

 

ではお子さんに対する矯正治療の目的は何でしょうか?

お子さんには成長期があり、通常上顎は成長のピークが早く、10歳くらいまでに殆どの成長が終わります。それに対して下顎は上顎よりも成長期間が長く、小学校高学年から高校生くらいまで続きます。

お子さんの矯正治療の目的は、その成長期を利用して「顎の成長にアプローチすることで、適切な生え変わりと歯並びを誘導し、口腔機能の改善を行う」ことです。

 

治療法は、お口の中の状態に合わせて変わりますが代表的なものをご紹介します。

①顎の骨を大きく拡大する装置(拡大装置)

歯並びに対して顎のサイズが小さい場合、成長期に顎の成長を促すことで歯が並ぶスペースを確保します。

 

②顎の骨の成長を抑制する装置(チンキャップ、ヘッドギア)

出っ歯や受け口で、骨格的な問題がある場合、顎骨の成長をコントロールすることで、将来手術をする可能性を少なくします。
 

①、②の装置以外にも、顎の骨の成長促進を促す「前方牽引装置」など色々な装置がありますが、どれも成長期という限られた期間に使用することで効果を発揮します。

では、何歳から始めればいいのか?そのタイミングはお子さん一人一人のお口の状態によって変わってきます。

 

学校歯科検診には歯科医師会のガイドラインがあり、それに則って行っています。

お口の中が見えやすいようにミラーを使って唇を広げることはありますが、歯を触ってはいけない決まりになっています。

加えて、一人一人個性のある生え変わりという時期になります。生えていない歯が、そろそろ生えそうなのか?それとも元々歯がないのか?骨の中で生えるのが止まり埋まってしまっているのか?正確な判断は出来ません。

 

保護者の皆様には、検診結果で全ての項目が「措置必要なし」にチェックが入っている以外、つまり何かしらの項目に要観察や要指導、要受診などにチェックが入った場合は積極的な歯科受診をお勧めいたします。

お子さんは成長期を利用して治療をすることで、早期に口腔機能の改善を行うことが可能になります。

 

 

当院では新型コロナウイルス感染症含め、様々な感染症対策を行いながら通常の診療を続けております。

歯並びのみならず、お口の中でご心配な事等ありましたらお気軽にご相談下さい。

 

ブランチ仙台歯科

電話022-347-4618

休診日:5月20(木)27(木)、

           6月3(木)4(金)9(水)10(木)17(木)19(土)24(木)

矯正日:6月6(日)22(火PM)