教員不足、教員不足と世間で言われ始めて久しい。2010年代後半の2018年頃から問題視され始めた。
しかし、教員と言っても法的には様々な職種がある。教員採用試験をパスして終身雇用となった正規採用教員が足りないの?
それとも、臨時的任用教員が足りないの? それともそれとも、非常勤講師が足りないの?(現在では常勤的非常勤講師という、正規の穴を埋める謎の言葉で構成された先生も存在する!) 一言で「先生」と言っても多様である難解である。この辺りに注意しないと、問題点は見えてこない。「教員不足」という言葉が独り歩きするだけである。
結論から言うと、正規の教員不足が事の発端であると考えられる。2001年以降、政府は正規採用公務員の採用抑制に熱心に取り組んだ。行財政改革という錦の旗のもと、地方で出来ることは地方でやってね、政府は助けんからね、失敗しても試行錯誤で何とかしてね、失敗しても自己責任だよという平たく言えば新自由主義にかぶれた時の政権がやったことである。
その結果、教員への国庫負担金は2分の1から3分の1に縮小し、残りの6分の1は一般財源化された。最近で言えば、政令指定都市へ教員の給与支払権限を移譲した。(採用権だけあって給与支払を負担していなかったため。)ここで、教育の質が、予算が潤沢な都道府県や政令市と、そうではない都道府県や政令市に分断されたことが分かる。つまり、税収潤沢予算潤沢な前者は教員不足が起こりにくい。しかし、後者は教育政策に使う予算だけではなく他の政策に回す予算も火の車である。正規採用を増やすのも夢のまた夢・・・な地方公共団体もあるだろうきっと。
さて、第一段階として正規採用教員が不足するとどうなるのか? 順を追っていく。第二段階として、フルタイムで勤務する臨時的任用教員が供給される。第三段階としては、臨時的任用教員の欠員は誰が埋めるのか?そう、非常勤講師である。しかし、2001年以前のように不足コマ数だけである授業担当をする本来の臨時講師の職務は随分様変わりし、前述した「常勤的臨時講師」という意味不明な造語が作られ、該当する先生方が現場で活躍している。要するに、授業〇コマだけしてもらうのではなく、常勤教員の穴埋めとしてフルタイムで仕事して頂かないと学校現場が回らないという学校現場の事情が関連している。そして、臨時的任用教員も臨時講師もいよいよ供給されなくなるとどうなるのか・・・? 最悪の事態である授業実施不可能状態になる。
♯教員不足
♯教師のバトン
文部科学省や教育委員会はよくこの言葉を使うらしい。
「教員不足の原因は、非正規教員の供給が減ったから。」
つまり、非正規教員のなり手が減ったからということ。んー、私もそう思っていました。しかしよく考えるとおかしい。
根本的に、正規採用教員が減少したことが原因である。(これを是認すると政府の公務員抑制政策を非難することになるから言わないのか?!) 正規教員が不足したから、非正規教員の需要がうなぎ登りになり、教員不足になったのである。非正規教員の供給を上げればいいってものではない。正規教員を増加させない限りは、この問題は解決には至らないと考えられる。
しかし、こう言うとどこからかこんな指摘が飛んできそうだ。「子どもの数が減っていいるんだから正規教員を増やす必要はない。」「加配の先生を送り込む『加配定数』を増やしているんだから文句言うな。」
そんなに教育に金を掛けたくないのか、日本政府!! 外国にお金をばら撒いて国内で生じる問題は知らんふりに近い!対策はやってないことは無いが、果たして功を成したと言われるものがどれだけあるのか疑問である。
年度毎に申請する加配の先生。来年度も付く保障はないでしょ?
〇次年度に加配が何人付くかを把握するのが難しいの知ってるでしょ?
〇だって予算折衝の結果が分かる時期が遅いんだもん。次年度の教員採用計画に反映しにくい!
〇もしうち(地方公共団体)が加配定数分の正規教員を採用しても、翌年に国が加配を減らしたら、雇用した教員給与への国か
らの補助なくなるでしょ!!そんな潤沢な地方公共団体ないよ!!分かってて作った制度!?
意地でも根本原因を解決させまい、教育に金をかけてたまるかという強いつよーい意図が透けて見えますね。
正規採用教員が減らないことが、教員不足を解決する有効手段であるのにだ。しかし、まぁ、これだけ教員の働きぶりが世に伝わり、命懸けの職業であること等が分かってしまった昨今、正規採用になりたい学生も減少傾向で、この教員不足の問題にはますます拍車がかかっているのである。 教員の仕事の魅力をいくらPRしても、PR事業に数十億かけても、業務改革を真剣にしないと、もうどうしようもない。