パンパンパンダのブログ -89ページ目

パンパンパンダのブログ

ブログの説明を入力します。

玄関を開け部屋に入り、靴を脱ぎ捨てながら、ヨロヨロとベッドへ向かいそのまま倒れ込む。
この光景は日常のものであり、彼がいかに日々身を粉にしているかを物語っている。
そんな彼の唯一の癒しは彼女だった。
ベッドに横になって少ししてからスマホを手に取り彼女へと連絡する。
三日に一度くらいのペースで電話をしている。お互いに予定が合わずほとんど会えないため、月に二、三度はビデオ通話をしていた。
話しているうちに自然と声が大きくなっていくが、幸い隣の部屋の住人に壁ドンされたことは一度もない。
しかし、気を付けることに越したことはない。
二人だけの世界を楽しむように彼らはスマホを介して繋がっている。
彼は不意にベッドから立ち上がり壁に向かって歩いていく。
何か見つけたのだろうか。
そのまま壁の前は行き壁に耳を・・・・・・。


「・・・・・・気のせいかもしれないんだけどさ」
「なに?」
「隣の部屋から声が聞こえるんだけど、ひとり言のような気がするんだよね」
「え、なにそれ怖い!あ、だから急に声小さくしたの?」
「そうそう。何かを読み上げてるみたいな感じでさ。」
「演劇とかそういう感じ?」
「うーん・・・そうなのかな。ちょっと聞き耳立ててみるわ。」
「えー、怖いよ!確かに気になるけど。」
「ちょっと待っててね」
「はーい」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「もしもし?」
「うん、どうだった?」
「何も聞こえなかった。」
「そっかー、でも結構ドキドキした!」
「そうだね・・・・・・ん?」
「どうしたの?」
「いや、なんだろあれ。」

彼と目が合った。

「あ、今声が、『彼と目が合った』って。」
「それでそれで?」

私の声が聞こえたのね。

「『私の声が聞こえたのね』」