適当にスマホを弄っていたら友達は目を覚ましたが、気付いたらまた友達は寝てしまった。
これは帰ってもいいよな、と思った。
帰ってしっかり眠りたい。
寄り道して帰ろうとしている途中で友達から連絡が来た。
「どこか出掛けたの?」と。
暗に「帰ってこい」と言っているのは明白だった。それが強制だろうと不安だろうと関係なく、それに対し、ただただ不快感を抱いた。
寄り道を済ませた後、結局そのまま自宅へと帰った。
しばらくして「まだ用事終わらないの?」と連絡が来たため、家に帰ったことを告げると「待ってたのに」と返事が来た。
いつもこうだ。いつもこちらが悪いかのように悪気なく言ってくる。
罪悪感が生まれることが苦痛でしかない。
勝手に帰ってしまった自分も悪いことは悪いのだけれど。
少し気持ちを落ち着けてから、友達の家に戻った。
友達に「おかえり」と迎えられ、不服な気持ちを抑えながら「ただいま」と返事をした。
腰を下ろして少しすると、友達は謝りながら涙を流し始めた。
ああ、やめてほしい。
せっかく気持ちを落ち着けてきたというのに。
また、嫌悪感が生まれてしまった。
気持ち悪い。
その表現が最も適当であるように思う。
表情が歪んでしまうことを抑えられないほどの気持ち悪さが湧き上がってくる。
「友達」だよ。
俺とあなたの関係は。
あなたはそれ以上を望むけれど、俺はそれ未満にならないように抑えているんだよ。
そんなことを彼は知るはずもなく、今日も、きっとこれからも、希望のない片想いを続けるのだろう。
彼に教わったことはたくさんある。
好かれることが鬱陶しいこともあるのだと知った。
触れられて身体が拒絶することもあるのだと知った。
本当に心の底から腹が立っても怒ることが勿体なく感じることを知った。
そんな相手のことを俺は「友達」と呼べるのだということを知った。