例えば、酷い空腹状態になると喉から音がするようになる。シャリシャリと砂が擦れ合うような音。それが普通ではないと知ったのは「お腹空いたー、喉がシャリシャリいってる」と言った時にきょとんとされたためでした。
当たり前だと思っていることをあえて口に出すことはあまりないのではないでしょうか。
右手と左手で手相が大きく違うこと。手相が大きく変化していくこと。それが普通ではないと知るには他人と比べなければいけません。
腕につむじがあること。どのくらい珍しいことなのでしょうか。
もしも、自分が悩んでいることが誰にでも起きていることだったらどうしますか。それを誰かに「悩んでいる」などと言えるでしょうか。もしそうだとしたら、などと考えたら誰かに相談など出来るでしょうか。
だから書きます。言えないから書きます。
眠る時、うるさいんです。頭の中ではずっと「ごーっ」と音がしています。耳にその振動が伝わる感覚がします。音はそのまま頭に痛みを与えてきます。周りの音が脳内の音と合ってしまった時、痛みや不快感はより大きなものになります。痛みや音から逃れる方法はなく、意識してしまうとそれは増幅していきます。徐々に不安感が大きくなります。頭の中で大きな音が鳴り止まないのに、虫の羽音や靴音、走行音や話し声が鮮明に聞こえてきます。きっと音は起きている時から鳴っているのだと思います。他の情報を優先出来る昼間は意識しないで済むのです。これは当たり前のことですか。それとも薬の副作用ですか。私はいつからこの音に悩まされていたんだっけ。生まれつきだったんだっけ。それすらも分かりません。気付いた時にはそれは当たり前のものになっていました。この音を消してください。