「おい、お前は何か見えてるか?」
「・・・何も見えない」
「じゃあ動けるか?」
「・・・動けない」
やはり俺と同じか。
「お前はいつからここにいる?」
「・・・分からない」
「分からないってことはないだろう」
「何も分からない・・・何も何も分からない・・・もう助からない・・・もう出られない・・・誰か! 誰か助けて!」
おいおい、こいつおかしくなったのか。
何も見えず、体も動かせないんじゃおかしくなっても仕方ないか。
「おい、聞こえてるか?」
「ザザ・・・聞こえていますよ」
「そろそろ帰してくれないか?」
「ザザ・・・それが・・・・・・なっているよう・・・」
「ん?よく聞こえない」
「・・・れ・・・・・・・・・ま・・・・・・・・・」
「音が小さいぞ。もっと大きい声で話してくれ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
なんだ? 通信が途切れたのか?
突然足に何かが当たった。
ああ、次のやつが来たのか。
「なあ、これいつまでやるのかわかるか?」
「・・・・・・」
「おい」
「・・・・・・」
何も喋らない。気味が悪いな。まさか死んでるんじゃないだろうな。
そういや、前のやつも静かになったな。
前のやつ、最初はしっかりしていたのに。そういや、俺が来たときに俺と同じ質問をしてきたっけ。
あれ・・・?
「なあ、早く出してくれよ・・・おかしいよ!なあ!なんとか言ってくれよ!」
・・・
「・・・何も見えない」
「・・・動けない」
「・・・何もわからない」
「なあ、お前は今来たところか?
上手く言えないんだけどさ。お前の今は俺の過去なんだよ。だから俺からしか話しかけられない。何言ってんだ、と思うかもしれないけど、一応伝えておく。お前はそのうち耳が聞こえなくなる。いや、正確に言うと、少しずつ未来へ進む。周りの人間の声は届かなくなる。お前の言葉はいつか相手に届く。けれど相手の言葉はお前に届かない。なあ、聞こえてるよな? 俺の言葉届いてるよな? 俺の前のやつはおかしくなってしまった。その後すぐに声が聞こえなくなった。前のやつは俺より未来に行ったはずなんだ。だったら聞こえるはずなんだ。なのに聞こえなくなった。きっと、前のやつは・・・。だから、怖いんだ。俺もそろそろなのか? なあ、出してくれよ。出たいんだよ。あ、俺の足引っ張れないか? あああああああ、だめだ、そうだ、なあ、もし、もしも、体が動かせるなら、俺の足を、いや、もし動かせなくても頭で俺の足を叩いてくれないか。そしたら俺は足を動かす。もし動かなかったら・・・そういうことだと思ってくれ。」
なんだこいつ、話は長いし意味が分からない。
とりあえず足に頭突きしてみたが反応はない。
なんなんだ。そういうこと、ってなんなんだ。
SCP関連の被験者はみんなこうなのか?